魚、自然、北陸の神秘、富山の休日。
撮影・青木和義 イラストレーション・おおさわゆう 地図製作・竹中聡司
運河を流れるレトロな時間、水の町、内川に。
川べりに連なる古民家。両岸に係留された釣り船。日本海の寒空を映す川面。近頃では映画やドラマのロケに使われることが多い、この内川エリア。
「町にあまり人がいないのは家で過ごすほうが好きだから。でも、撮影が入るとみなさん外に出てきます」と笑う、『カフェuchikawa六角堂』館長の北原和樹さん。古い畳屋をリノベして六角堂を立ち上げる際、地元の人から「こんなとこにカフェを作ったって売れないよ」と言われた。ミーハーでおせっかい。けれども、面倒見がよい。
「店の様子を見に来ては、『よかったら食べられ』と取れたての柿を持ってきてくれるのも地元の人たちです」
2013年にオープンして8年目を迎える。年々、空き家が増えるこの町の風景を何とか残したい。
「カフェの利用だけではなく、最近は古い家をこういうふうに再生したい、という相談の場にもなっています」
10年、20年先を見据えて、いい手本でありたい、と北原さんは思っている。
カフェuchikawa六角堂
富山県射水市八幡町1-20-13 TEL.0766-30-2924 万葉線新町口駅より徒歩10分。賚10時30分〜20時30分 月曜・第1火曜休。13歳未満は入店不可。
www.inacafe.net
並んでも食べたい、究極のソウルフードとは?
ある調査によれば、富山県の女性の有業率は74.0%で、これは全国4位の水準なのだそう(※)。そういえば、路面電車もタクシーも、女性の運転手さんにあたる頻度はかなり高い。そんなおひとりに聞いてみる。地元の人が愛するソウルフードは何か、と。
「ブラックラーメンも時々食べたくなりますが、やっぱり『糸庄』のもつ煮込みうどんではないかな」
取材に訪れたのは午後の中休みの閉店時、それでもガラガラと戸を開ける客が切れない。
「混雑時は行列が50メートルを超える」と店長の江田考輝さん。スープは、
「4種の鰹節と北海道の昆布、合わせ味噌で、その塩梅は企業秘密です」
丁寧に下ごしらえをされたモツはよく味が染みていて、柔らかく、思わず禁じ手の炭水化物×炭水化物のご飯が欲しくなる。今年で開店48年目。冬は糸庄の季節、地元の人はそう言う。
※富山県統計協会 平成29年「就業構造基本調査」より。
糸庄(いとしょう)
富山市太郎丸本町1-7-6 TEL.076-425-5581 富山市内軌道線西中野駅より徒歩8分。営業時間:11時〜15時30分、17時〜23時30分 火曜休。
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