くらし

京都好き4人に聞きました。1泊2日で京都を旅するとしたら?

行きたいところ、食べたいもの。1泊2日で京都を旅するとしたら?
  • イラストレーション・山手澄香 文・小沢緑子

変わらぬ風景、骨董店やギャラリー巡りも楽しみます。(石村由起子さん 「くるみの木」主宰)

「私にとって京都は、若い頃の思い出が詰まった場所。結婚前に夫とよくデートで大阪から鴨川沿いに出かけていて、当時の写真と比べても変わらぬ風景が広がる。そんなところが魅力ですし、心を動かされます」と、石村由起子さん。

奈良を拠点とする今も、錦市場で買い物をしたり、月に一度は出かける。1泊2日するとしたら?

「JR京都伊勢丹上の『京都和久傳』でお昼を食べることから始めて、懐かしい鴨川沿いで散歩をしたいです。その後は河井寛次郎記念館から、下鴨神社、詩仙堂丈山寺などをゆったりと巡るコースが清々しいので気に入っています」

懐かしい鴨川沿いを散歩

夕食は、烏丸御池にあるバー『酒陶 柳野』へ。

「小皿で出す料理がおいしく、お酒と一緒に食事を楽しみながら一日を締めくくれます」

2日目は、常連客も旅行者もそれぞれが居心地よくくつろいでいる雰囲気に、“京都に来た感”を感じるという『イノダコーヒ本店』でモーニング。

「京都はお寺や神社に立つ骨董市が多く、日が合えば市へ行きたいですね。もしくは寺町通りの一保堂茶舗あたりから、午前中から開いている骨董店を覗き始めたり」

お気に入りのバーで食事

お昼は日本料理店『ごだん 宮ざわ』でゆっくり懐石。

「午後は寺町通りにまた戻って『京都 やまほん』や『ギャラリー京都寺町菜の花』、祇園なら『昂(こう) KYOTO』など、作家ものを扱うギャラリーを巡る時間に」

夕方、帰路につく前に、河原町の『ギョーザ泰三』で餃子で一杯、を楽しんでから電車に乗ります。

「ここの餃子はとても人気。薄皮の一口餃子がおいしく、どんどん食べてしまいます」

作家の器や作品と出合う時間

石村さんの1泊2日の旅程表

(1日目)
■ 昼頃着
■ 昼食は『京都和久傳』
■ 午後は鴨川沿いを散歩
■ 河井寛次郎記念館、下鴨神社、詩仙堂丈山寺などを巡る。
■ 夕食は『酒陶 柳野』

(2日目)
■ 朝食は『イノダコーヒ本店』
■ 午前は骨董市や寺町通りの骨董店へ
■ 昼食は『ごだん 宮ざわ』
■ 午後は「京都 やまほん」「ギャラリー京都寺町菜の花」「昂 KYOTO」など、ギャラリー巡り。
■ 早めの夕食で『ギョーザ泰三』

京都の友人のおすすめが楽しい。(福田里香さん 菓子研究家)

「京都に惹かれるのは、お菓子は供物で“都(京都)”に集中すること。そして行くたびに京都人の友人が一緒に遊びながら独断と偏見でおすすめを教えてくれることが楽しくて」と、福田里香さん。

今回は友人で雑貨店『Kit』の椹木知佳子さん経由で好きになったものを紹介してもらった。

友人の店に直行し再会

京都に着いたら即、大宮通丸太町にある椹木さんの店に直行。お昼は北大路の蕎麦店『さくら屋』でカレーかあんかけうどんを食べて、「運よく近くの看板もない“名前のない喫茶店”が開いていれば、おいしいお茶とお菓子を楽しみます。『フルーツパーラー クリケット』『菓子店千茜(ちせん)』『坂田焼菓子店』のいずれかへも行きたい」。夜は『糸仙』で京中華、『直(なお)珈琲』で夜カフェも。

京中華で京都の夜を楽しむ

2日目は、朝一で今宮神社名物の白味噌だれのあぶり餅。さらに椹木さんのおすすめ、岩倉の木材倉庫を改装した履物店とギャラリー『履物関づか 岩倉AA』と、途中にあるコーヒー焙煎所『miepump coffeeshop』にも遠出。

「夜ごはんは韓国料理『ハハハ』か、『末廣』のちらし寿司を持ち帰り。『欧風堂』のワッフル、『まるき製パン所』のパンもお土産にしたいです」

包み紙も味わい深いあぶり餅

福田さんの 1泊2日の旅程表

(1日目)
■ 昼前着
■ 椹木知佳子さんの店『Kit』に直行
■ 昼食は『さくら屋』
■ 名前のない喫茶店へ
■ 『フルーツパーラー クリケット』『菓子店千茜』『坂田焼菓子店』などで、お菓子巡り。
■ 夕食は『糸仙』、食後に『直珈琲』。

(2日目)
■ 朝一で今宮神社名物のあぶり餅屋
■ 椹木さんの最新おすすめ店『履物関づか 岩倉AA』『miepump coffee shop』へ。
■ 夕食は『ハハハ』か、『末廣』の持ち帰り寿司。
■ 『欧風堂』のワッフル、『まるき製パン所』のパンをお土産に。

1泊では物足りない!食いしん坊の旅。(山藤陽子さん ライフスタイルコーディネーター、パフューマー)

「京都は好きすぎて、何だかんだと仕事を作って出かけます。1泊では足りず、2泊が常(笑)」

という山藤陽子さんの今回のテーマは“食いしん坊”の旅。1日目は、友人夫婦の自家焙煎珈琲店『WIFE&HUSBAND』で、「コーヒーとハニーチーズトーストで遅めの朝ごはん」。

昼は『竹邑庵太郎敦盛(ちくゆうあんたろうのあつもり)』で「熱々のせいろを九条ネギ、卵も入れたつゆで食べるあつもりそば」。

持ち帰りも楽しみな焼き菓子

午後は鍵善良房のミュージアム「ZENBI」など、祇園をぶらぶらしてから、京都の街を一望できるバー『琥珀』へ。

「夕暮れを眺めてから、昼間とは打って変わって風情ある八坂の塔あたりも散歩」

夕食は『鳥彌三(とりやさ)』で水炊き。そして、京都で外せないというレトロ銭湯へ。

贅沢な夕暮れタイムをバーで

2日目は「朝、人が動き出す前の街の静謐さ、匂いなども感じたいので、早朝に清水寺を散歩」。朝食に『瓢亭 別館』で朝がゆを食べたら、「世界一おいしいと思っているドーナッツを『Kew(キュー)』に食べに行きたい。焼き菓子もテイクアウト」。

昼食は『点邑(てんゆう)』や『天ぷら八坂圓堂』などで、贅沢に天ぷら。

「『いづ重』の巻き寿司といなり寿司も大好きなので、それも買って帰ります」

風情ある石畳が京の昔を彷彿

山藤さんの 1泊2日の旅程表

(1日目)
■ 午前着
■ 友人夫婦の珈琲店『WIFE&HUSBAND』へ
■ 昼食は『竹邑庵太郎敦盛』
■ 午後は「ZENBI」で展覧会鑑賞し、隣のミュージアムショップで買い物。
■ 夕方にパーク ハイアット 京都のバー『琥珀』
■ 八坂の塔周辺を散歩
■ 夕食は『鳥彌三』、そのあとに銭湯へ。

(2日目)
■ 早朝に清水寺を散歩
■ 朝食は『瓢亭 別館』で朝がゆ
■ 『Kew』でドーナッツ、焼き菓子のテイクアウトも。
■ 昼食は『点邑』や『天ぷら八坂圓堂』など
■ 『いづ重』の持ち帰り寿司をお土産に

岡崎、寺町通りは歩くのも好きな場所。(松田美智子さん 料理研究家、テーブルコーディネーター)

仕事やボランティア活動の打ち合わせなどで、月1、2回は京都に出かける松田美智子さん。合間に行きたい場所へ。よい展示があれば「京都市京セラ美術館」や「京都国立博物館」にも。

「京セラ美術館のある岡崎エリアは雑貨や器の店もあり、散歩するのも楽しい場所。タルトタタンが有名な『ラ・ヴァチュール』で焼き菓子と紅茶も楽しみます」

建築も魅力の京セラ美術館

夕食は、予約がとれたら繊細な中国料理の『京、静華(きょう、せいか)』や日本料理の『祇園 大渡』へ。余力があれば『酒陶 柳野』や『K36』のバーで一杯を楽しむことも。

京都らしい繊細な食事に舌鼓

2日目は、「早起きできたら勝林寺、智積院(ちしゃくいん)、養源院、市比賣(いちひめ)神社などを散歩。古美術や骨董店などがある寺町通りを歩くのも好きです。『うるわし屋』やギャラリー『日日(にちにち)』などもチェック」。

お昼はフランス人シェフの店『ステファン パンテル』や、洋食店やうどん屋さんに行くことも。その後は紙専門店『紙司柿本(かみじかきもと)』などで買い物。

「最後にハイアット リージェンシー 京都の『ペストリーブティック』で予約しておいたサワードウ、荷物が少なければアップルパイもおいしいので受け取って帰ります」

お気に入りのパンをお土産に

松田さんの1泊2日の旅程表

(1日目)
■ 昼頃着
■ 午後に京都市京セラ美術館、京都国立博物館。
■ 『ラ・ヴァチュール』でお茶と焼き菓子
■ 夕食は『京、静華』や『祇園 大渡』。『酒陶 柳野』か、ザ・ホテル青龍 京都 清水のバー『K36 The Bar&Rooftop』で一杯。

(2日目)
■ 朝は勝林寺、智積院、養源院、市比賣神社などを散歩。
■ 午前は「うるわし屋」「日日」など、寺町通りの骨董店やギャラリーをチェック。
■ 昼食は『リョウリヤ ステファン パンテル』
■ 午後は『紙司柿本』などで買い物
■ ハイアット リージェンシー 京都の『ペストリーブティック』のパンを受け取る。

石村由起子

石村由起子 さん (いしむら・ゆきこ)

「くるみの木」主宰

奈良でカフェと雑貨の店『くるみの木』を営む。自身の暮らしから生まれた快適空間にファン多数。https://www.kuruminoki.co.jp

福田里香

福田里香 さん (ふくだ・りか)

菓子研究家

果物や粉を使ったお菓子やサラダのレシピが人気。著書に『民芸お菓子』(ディスカバー・ジャパン)。京都在住の友人との再会も楽しみ。

山藤陽子

山藤陽子 さん (やまふじ・ようこ)

ライフスタイルコーディネーター、 パフューマー

上質で気持ちいいライフスタイルを提案する「YORK.」主宰。パフュームブランドSCENT OF YORK.デザイナー。

松田美智子

松田美智子 さん (まつだ・みちこ)

料理研究家、テーブルコーディネーター

木・土・鉄製のオリジナルの調理道具「JIZAI」をプロデュース。『家庭料理は郷土料理から始まります』(平凡社)が3月24日に刊行。

『クロワッサン』1089号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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