くらし

「選書サービス」で自分にぴったりの本を読む。

読書家もそうでない人も、本をもっと身近に楽しむヒントを紹介します。
  • 撮影・青木和義、小禄慎一郎、黒川ひろみ 文・長谷川未緒

好みや予算に応じた本を書店員が選んでくれる「選書サービス」。ゆっくり本を選ぶ時間がない人や、本を読みたいけれど、何を読んだらいいのかわからない人、また、読書傾向が偏りがちで、新しい作家やジャンルに出会いたい人などに、おすすめだ。

今回、ライター・長谷川が、2カ所で選書サービスを利用してみた。どちらも、最初にアンケートに答えるのだが、共通の質問は、「好きな作家」(アリス・マンロー、上橋菜穂子)と、最近読んだ本(ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、武田百合子『ことばの食卓』など)。さて、どんな本が選ばれただろうか。

いつか必要になるであろう本を本棚の写真を見て、セレクト。

●『双子のライオン堂』選書手順

1.HPで好みのプランを選択して入金。
2.アンケートに回答、自分の本棚の写真を送る。
3.選書された本が郵送で届く。

「その人の本棚に合いそうだけど買わないだろう本を選ぶようにしています」と語るのは、毎月100冊近い新刊に目を通すという『双子のライオン堂』店主・竹田信弥さん。
こちらの選書配本サービス『本棚からの便り』は、店主曰く「選書に責任を持つため」、代金に選書料が含まれている。

新刊3カ月コース(送料込み6,940円)の結果は、左の5冊。読みたいと思う本ばかりで驚いた。

双子のライオン堂(ふたごのらいおんどう)
東京都港区赤坂6-5-21 TEL.050-5276-8698 営業時間:水〜土曜15時〜21時、日曜不定期 定休日:月・火曜 https://liondo.jp/

【1カ月目】右・『古代アテネ旅行ガイド』 フィリップ・マティザック 著 安原和見 訳 ちくま学芸文庫 1,200円 左・『奪われた家/天国の扉 動物寓話集』 コルタサル 著 寺尾隆吉 訳 光文社古典新訳文庫 780円
【2カ月目】『ジャック・ケルアックと過ごした日々』 イーディ・ケルアック・パーカー 著 ティモシー・モラン、ビル・モーガン 編 トランジスター・プレス 2,400円
【3カ月目】『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』 ジャン=ポール ディディエローラン 著  夏目大 訳 ハーパーコリンズ・ジャパン 1,400円 『中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと』 中川李枝子 平凡社 1,200円
竹田信弥(たけだ・しんや)さん 『双子のライオン堂』 店主

本によりどころを求める人に、手書きの手紙を添えて届ける。

●『ほんのみせ コトノハ』選書手順

1.HPのグーグルフォームからアンケートを送信。
2.選書された本のリストから被りがないか確認。
3.選書された本が郵送で届く。

「近所に本屋がない方や店員さんに話しかけづらい方に、気軽に利用してほしいです」と『ほんのみせ コトノハ』店主・有路友紀さん。

最近うれしかったことや悲しかったこと、大事にしていることや物など、一見、選書とは関係のなさそうな問いが並ぶアンケートがユニークだ。「読書が好きな方は、本が支えになっていることもあると思うので、カウンセリング的な側面も大事にしています」。選書された本には、おすすめポイントを手書きした手紙が添えられている。

予算3,000円(送料別500円)の選書結果は、下の3冊。初めは愛読書が含まれていたため、交換してもらったほど、好みに合った選書だった。

ほんのみせ コトノハ
東京都国立市中1-19-1 2F
 営業時間:11時〜20時 定休日:火・金曜 https://kotonohabookcafe.com/

『なぜオフィスでラブなのか』 西口想  POSSE叢書 1,800円 『裏庭』梨木香歩 新潮文庫 670円 『三人寄れば、物語のことを』 上橋菜穂子、荻原規子、佐藤多佳子 青土社 1,400円
有路友紀(ありみち・ゆき)さん 『ほんのみせ コトノハ』店主

『クロワッサン』1010号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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