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小泉武夫さんのアラ談義をもとに、料理人がお手軽アラ料理を再現。

捨てるのはあまりにもったいない。魚本来の旨みや栄養が詰まっているアラの魅力について、小泉さんがたっぷり語ります。

撮影・青木和義(小泉さん)、谷 直樹(料理) スタイリング・高島聖子 文・嶌 陽子

小泉武夫(こいずみ・たけお)さん●農学博士。専門は醸造学、発酵学、食文化論。食関連の著書は140冊以上。25年前から毎週、日本経済新聞で食に関するコラムを連載中。
小泉武夫(こいずみ・たけお)さん●農学博士。専門は醸造学、発酵学、食文化論。食関連の著書は140冊以上。25年前から毎週、日本経済新聞で食に関するコラムを連載中。
鈴木登代秀(すずき・とよひで)さん●料理人。東京・大田区にある人気店『鳥・いわし料理スズコウ』の厨房に父親と立つ。魚のおいしさを引き出す料理が得意。
鈴木登代秀(すずき・とよひで)さん●料理人。東京・大田区にある人気店『鳥・いわし料理スズコウ』の厨房に父親と立つ。魚のおいしさを引き出す料理が得意。

小泉さんの話にも、小説『骨まで愛して』にも、魚のあらゆる部位を使ったアラ料理がたくさん登場する。その中から家庭でも簡単に作れるものをいくつかピックアップ。後日、小泉さんから聞いた話をもとにプロの料理人、鈴木登代秀さんが鮮やかな手つきで作ってくれた。どれもが旨みやコクが際立つ、しみじみとしたおいしさだ。

潮汁や煮こごり、なめろうなどは昔から食べられているポピュラーな料理。地域や家庭によって調理法や味つけが少しずつ違うので、紹介した基本の作り方をベースに、好みでアレンジするといいだろう。ごはんのお供にも、酒の肴にもぴったりのアラ料理、ぜひ挑戦を。

鯛の潮汁

小泉武夫さんのアラ談義をもとに、料理人がお手軽アラ料理を再現。

鍋に湯を沸かし、鯛のアラを10秒ほど入れて臭みを取る。ざるにあけ、頭の細かい鱗などを取り除きながら流水でよく洗う。洗ったアラと昆布5cmほどを鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて中弱火にかける。沸いたら昆布を取り出し、15分ほど煮て、酒と塩で味をととのえる。火を止めてから生姜の搾り汁を少量加えると臭み消しになる。

かれいの煮こごり

小泉武夫さんのアラ談義をもとに、料理人がお手軽アラ料理を再現。

かれいの煮付けを作る際、煮汁を多めにして作り、煮汁だけ容器に入れ、冷蔵庫で冷やす。「翌日、ぷるんと固まった煮こごりをスプーンですくって熱々のごはんの上にかけて食べると絶品」と小泉さん。今回、鈴木さんが作ったのは身入りのバージョン。かれいを5枚におろし、湯通しして身を細かく刻んでおく。アラを醤油と酒、みりんで煮る。アラを取り除き、煮汁の中に刻んだ切り身を入れて再び煮た後、粗熱を取ってから容器に入れ、冷蔵庫で冷やす。

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