くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】折り合いが悪い夫と息子の間に入る生活に疲れました。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は家族喧嘩の仲裁に疲れ、離婚が頭をよぎるようになった妻からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>
いつも拝見しています。意外な切り口や温かみのある言葉で毎回楽しみです。
相談は夫と次男の折り合いが悪く、間に入るのが疲れてしまった事です。
少しでも仲良くなって欲しくて、次男の気持ちを代弁したり、夫の言葉を言い換えて次男に分かりやすいよう伝えたり根回ししてきました。
上手くいけば当たり前、こじれると間に入った私を二人が責める場合もあります。
疲れてしまい、離婚を考える今日この頃です。(かめママ/女性/50代会社員です。共働きで大学4年と高校2年の息子が居ます。長男は夫と距離を取りながら付き合っていて、来春家を出る予定です)

山田ルイ53世さんの回答

夫と高校2年生の次男との間で板挟みとなり、疲れ果てたというかめママさん。
離婚まで考えている、とは穏やかではありません。
実は、筆者も今似たような境遇。
勿論、離婚云々ではなく、妻と長女(小1)が揉めると、仲裁役が回ってくるという話です。
大抵の場合、事の発端、原因は娘。
夕飯の前にお菓子を食べたとか、テレビに夢中でお風呂に中々入らないとか、まあ、そんなことです。
つい先日などは、図工の授業で”どんぐり”を使うので、学校に持って来るよう先生に言われていた、しかも明日必要だと言い出した娘に、
「今言われたって無理でしょ!? 何? お外真っ暗なのにママ今からどんぐり拾いに行くの!?」
と妻が激怒。
娘も娘で生意気な口調で反論し、互いにヒートアップ……我が家は、修羅場と化しました。

そういうときは、筆者の出番。
「もっと早く言わないと駄目でしょ?」
と静かな口調で、まず娘に語りかけ、
「ママだって、もーちゃん(娘のこと)が大好きで心配だから怒るんだよ?」
「いっつもお洗濯して、髪の毛も可愛くしてくれて、美味しいご飯も作ってくれて、もーちゃんのこと嫌いだったらあんな大変なこと出来ると思う?」
などと諭しつつ、妻の功績を讃えるワードも散りばめつつ。

その後、くるりと振り返り、
「もう反省しているし、良いでしょ?」
……これで大概収まります。
と偉そうに書いてみましたが、あくまで”大概”。
収拾が付かないことも結構あります。

そういうときは、もう、”放置”です。
これは相談者の場合にも有効かと思います。
非常に無責任なアドバイスですが、”ほったらかし”にしてみましょう。

旦那さんと次男、まあ恐らく旦那さんの方でしょうが、相談者が止めてくれる、取り持ってくれるという甘えがあるのかもしれません。
これは筆者が肝に銘じていることなのですが、
「(大人は)ゴールの見えない喧嘩はしない」
……これに尽きると思うのです。
家族とはいえ、第三者の手を煩わせなければ収拾が付かないような争いごとは避けるべき。
現に、相談者に離婚を考えさせてしまうほど、負担が生じている。
これは良くないです。
それはさておき、ご長男も、「夫と距離を取りながら付き合っていて、来春家を出る予定」とのこと。
ふと思ったのですが、そもそも相談者ご自身、夫に対して何か思うところがあるのでは。
一度、ご夫婦でしっかり話し合う場を持った方が良いと思います。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
⇒ 公式ブログ

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