天気にまつわるフリートークで番組が進行されるのはラジオならではじゃないだろうか。
「昨日のゲリラ豪雨の時にちょうど新幹線に乗っていまして……」
「暑いといえば、この前、日傘を買って……」
「この鼻水は花粉か風邪かわからなくてね……」
まったく同じ話題をテレビでされると「ふーん」って聴き流してしまいそうなものだけれど、ラジオだと「うんうん。たしかに」と耳を傾けてしまうから不思議だ。
ラジオは体験した人たちだけが共有できるのもいい。流星群や皆既月食など「昨日すごかったねー!」なんて言われてしまうと、次はちゃんと空を眺めようと思う。テレビではその場で映像が流れて、すっかり見た気になっている。
今年春に放送が終了した「荒川強啓デイ・キャッチ!」の強啓さんが夏至と冬至の日の放送は番組のオープニングトークで必ず「今日から陽がだんだん長く(短く)なっていくんですね……」と言っていたのを思い出す。
冬至にこれを聴くと、はるか向こうにほんの小さな春の光を見つけたような気持ちになり、夏至の日に聴くと、本格的な暑さはこれからとはいえ季節の移り変わりを実感するのだった。半年に1度聴くことができる、お決まりの挨拶。なにげなく聴いている中でこの日に当たるとちょっと得をした気分になれるのがヘビーリスナーの醍醐味だった。