【後編】人生のお愉しみはこれから!中野翠さん流、70代の暮らし方。
撮影・青木和義 イラストレーション・中野 翠 文・斎藤理子
〈 今、愉しいこと、いろいろ。 〉
「黒っぽい服が多い分、 小物で存在感のあるものを。」
若い頃からモノトーンの服が多かったという中野さん。黒い服は自分の陣地にいるようで落ち着くのだそう。その分、小物は大ぶりで鮮やかな色調の、存在感あるものを選ぶようにしている。
「宝飾品には全然興味がなくて。繊細なものも似合わないの。アクセサリーは、黒い服に映えるモダンアートっぽいデザインのものが好きです」
長年愛用している黒い服だが、最近は少し変化が生じているという。
「若いうちは黒も似合うけど、年齢がいくと単なる暗い色。だから、最近は明るい色で何が着やすいか考える日々ですね。赤、ラベンダー、黄色、オレンジあたりはいけそうだと思い、取り入れる努力はしているんですが、結局黒と合わせてしまいます(笑)」
「家にこもる時間が長いから、 レースや柄物で気分を上げる。」
気分が上がるルームウエアは、かつて外出着だった愛着ある服。
「レースは女心をくすぐるじゃない?ゴージャス感もあって。ウエストがゴムではきやすくて楽なのもいいの」
同じく家着として愛用している、ワイズ・フォー・リビングのパンツは、自身で施したリメイクがユニーク。
「黒地に白い水玉模様の生地なんだけど、ふと裏返してみたら水玉がぼやけていて面白いの。ポケットはウサギの耳みたいに垂れていてかわいい。そこで、“裏返してはいている感”を強調するために、両サイドを白の刺繡糸で大きめにステッチして、缶バッジをつけてみたら、オリジナルの普段着の出来上がり。すごく気に入ってます」
古い襦袢や着物をアロハシャツに仕立て直すというのも、中野さんのアイデア。デザインも色も斬新で、オシャレなアロハに変身している。
「サラサラしていて肌触りがいいので夏にはぴったり。シワにならないから旅行にも重宝しています」
昔から好きだった愛着のある服をルームウエアにすれば、家で過ごす時間がずっと愉しくなると、中野さん。