「専門的に勉強というわけではなくて、あくまでもザッと知りたいだけだったのね。だったら教科書がいいと思って買ったら、これがわかりやすくて大正解。ひとつのことを確認するとその前後も読んで知識が広がっていくのが、娯楽としてただただ愉しい」
いつでも手に取れるように、教科書も地球儀の横に。今や机周りはちょっとしたお愉しみスペースになっている。
「今はまだ忙しくて、あまり時間が取れないけれど、もう少しゆとりができたらやりたいのは断然針仕事。布が大好きで、ボタンや端切れやレースをたくさんため込んであるので、それをどういうふうに生かすかがこれからのテーマです。といっても、テキストどおりきちんと仕上げるのは苦手。パンツのリフォームみたいに、思いつくままフザケた気分でやるのが好き。穴のあいたTシャツの穴のところにレースの花を縫いつけたり、そういうのを“インチキ手芸”と呼んでいます」
手芸に限らず、何事にも大雑把な性格だと自己分析する中野さん。きっちり、几帳面な妹とは正反対だそうだが、近年は一緒に旅行する機会が増えているのだと語る。
「旅行は大好き。以前は高校時代からの親友と国内外問わずあちこち旅してたんだけど。彼女が海外在住になり、一緒に旅するのが難しくなっちゃって。若い頃のように一人旅もいいのだけれど、やはり連れがいたほうが何かといいじゃない? それで妹夫婦と旅してみたら、これが思いのほかよくて」
物事が先に決まっているのが好きではないので、親友との旅はすべて行き当たりばったりだった。それが、几帳面な妹夫婦が様々な手配をすべてやってくれる旅を経験して、お任せする気楽さに気がついたという。次は北国の温泉を訪ねたいと思っている。