ぽっこりお腹を作る“楽な”座り姿勢。その改善方法とは?
撮影・黒川ひろみ スタイリング・高島聖子 ヘア&メイク・大谷亮二 イラストレーション・山口正児 モデル・片山 瞳 文・黒田 創
一番の問題は背もたれだった!
「椅子に背もたれがあると、寄りかかりたくなりますよね。実はこれが仰向けで寝ているのと変わらない、お腹から力が抜けている状態です。この座り姿勢こそ、ぽっこりお腹の原因でしょう」(牧野さん)
椅子に座る際、体を楽に支えるため、太ももの裏側からお尻、腰までを椅子にベタッと預けてしまいがち。しかしこの姿勢だと下半身に力が入らず、脚は開きっぱなし。腰に絶えず負担がかかる形になり、さらには骨盤が後傾した姿勢が長時間続くため、腰痛につながる。一時の楽な姿勢ではあるが、体には悪い。
「どんな人でも背もたれに寄りかかった瞬間にぽっこりお腹は作られます。背もたれには要注意です」
前のめりに座って行う動作も問題。
背もたれに寄りかかるのがよくないなら、前のめりで座ればいい?
「電車の中で多くの人がスマホを見ていますが、皆さん、目線が下がって、背すじは曲がっています。仮に背もたれに寄りかからなくても背すじが曲がれば骨盤は後傾、ぽっこりお腹を助長します」
ノートパソコンの操作もデスクトップに比べると目線を下げ、猫背の原因になる。とはいえスマホともども今や日常には欠かせない。
「ノート型なら下に台を置くなど、少しでも目線を上げる工夫をしましょう。前のめりの作業は肩甲骨が伸び切ったまま固まるので、ますます姿勢によくありません。折を見てこまめにほぐすことが大切です」
浅く座って、揃えた足を座面下、それだけで姿勢がよくなる。
ならば、いい座り姿勢とは何か。背を前にも後ろにも傾けず、頭頂を一本の糸で吊るようピンと伸ばして顔を上げる。日本人伝統の正座は実はかなり理想形に近い。
「しかし正座は脚に大きく負担がかかりますし、椅子中心の生活では現実的ではない。そこで上半身が正座したときと同じ姿勢を保てるよう、座り方を工夫するのです」
牧野さんがおすすめするのは、椅子に浅く座り、座面の下に足を入れて揃える方法。これをすると左右の座骨が自然と立ち、背すじはまっすぐに正され、すぐにお腹が凹む。
「はじめは長く続けられなくても、座るときはまずこう座る、という意識を習慣にしてみましょう」
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