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苦しいトレーニングは不要、ぽっこりお腹は伸ばすだけで凹む。

加齢とともに気になる下腹ぽっこり。腹式呼吸をしながら、縮んだお腹をぐーんと引き伸ばす。ただそれだけで解決!

撮影・青木和義 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・くらさわかずえ 文・寺田和代

橋本はづき(はしもと・はづき)さん●ヨガインストラクター。1972年生まれ。ヨガスタジオ「アウェイク鎌倉」主宰。自らの減量体験を元に独自メソッドを確立。著書に『のばしゆらし体操』。
橋本はづき(はしもと・はづき)さん●ヨガインストラクター。1972年生まれ。ヨガスタジオ「アウェイク鎌倉」主宰。自らの減量体験を元に独自メソッドを確立。著書に『のばしゆらし体操』。

お腹ぽっこりが気になったらまず腹筋運動? いいえ。「のばしゆらし体操」を提唱する橋本はづきさんのエクササイズは腹筋の働きを知り、腹筋運動へのやみくもな期待を捨てることから。

「まず伸ばすこと、そして呼吸です。というのも“いわゆる腹筋運動”で鍛えられるのはお腹の上部と表層だけ。鍛えると胃のあたりの筋肉が6つに割れることからシックスパックと呼ばれる状態になる部分です。マッチョな体形が欲しい人にはそれもいいでしょう。でも、40歳以上の女性におすすめしたいのは、お腹を引っ込めた上で女性らしい体形ときれいな姿勢を保ち、年齢を重ねても続けられる運動です」

お腹を支える筋肉の構造を簡単に知っておこう。

「お腹まわりの筋肉は、表層の腹直筋、サイドから支える内腹斜筋と外腹斜筋、そして腹斜筋の内層にある腹横筋の4層。腹斜筋と腹横筋は深い層にあることからインナーマッスルと呼ばれます」

中高年女性に多い下腹ぽっこりは、加齢で下垂した内臓に内臓脂肪、皮膚直下に皮下脂肪が堆積した状態をさす。

「下垂した内臓を支えているのがインナーマッスル。加齢とともに腹横筋が衰える→内臓が下垂し→その重さで腹膜がのび→血流が悪くなり→内臓脂肪も皮下脂肪もたまりやすく→さらにインナーマッスルが衰える、という悪循環に陥ります。悪循環を断つには腹横筋と、両脇から内臓を支える腹斜筋という2つの筋肉をしなやかに保つためのエクササイズが必要です」

体前面の“腹直筋”、お腹全体を包むように支える“腹横筋”、両脇から支える“外腹斜筋”、内側の“内腹斜筋”。この4つの筋肉の総称が腹筋。
体前面の“腹直筋”、お腹全体を包むように支える“腹横筋”、両脇から支える“外腹斜筋”、内側の“内腹斜筋”。この4つの筋肉の総称が腹筋。

インナーマッスルの強化に必要なのは腹式呼吸をしながら「伸ばす」こと。

「腹横筋と腹斜筋はしなやかで繊細な筋細胞の束で、縮みやすく硬くなりやすい。硬く縮んだ筋肉のままいくら筋トレや有酸素運動をしても結果は出ません。まず縮んだ筋肉を伸ばし、腹式呼吸で内部から負荷をかけるだけで内臓脂肪が、次に皮下脂肪が落ち、悪循環の矢印が逆向きに変わってきます」

腹式呼吸をしながら伸ばすだけだから、運動嫌いや忙しい人でも好きな時間帯に自宅で続けられるのがうれしい。

「運動といえば心拍数を上げ汗をかくイメージしかない人には最初は不安かも。これで本当にお腹を鍛えているのかしら、と。でも、伸ばしと腹式呼吸を続ければ、それだけで体形と姿勢を作れることに気づくはず。体得できれば一生もののエクササイズになります」

息を吐いてあばら骨をつかみ、お腹を意識。

より効果的な腹式呼吸のために、日頃からお腹の筋肉を柔らかく保つ準備を。
より効果的な腹式呼吸のために、日頃からお腹の筋肉を柔らかく保つ準備を。
息を吐く時にあばら骨の下を軽くつかむようにし、お腹がぺちゃんこになるまで息を吐き切る。
息を吐く時にあばら骨の下を軽くつかむようにし、お腹がぺちゃんこになるまで息を吐き切る。
より効果的な腹式呼吸のために、日頃からお腹の筋肉を柔らかく保つ準備を。
息を吐く時にあばら骨の下を軽くつかむようにし、お腹がぺちゃんこになるまで息を吐き切る。

寝る前の腹式呼吸を習慣に。

腹式呼吸は繰り返し行うことで身につく。夜、寝る前に横になってリラックスした状態で行うのも手。入眠しやすく、眠りも深くなる。
腹式呼吸は繰り返し行うことで身につく。夜、寝る前に横になってリラックスした状態で行うのも手。入眠しやすく、眠りも深くなる。
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