お腹ぽっこりが気になったらまず腹筋運動? いいえ。「のばしゆらし体操」を提唱する橋本はづきさんのエクササイズは腹筋の働きを知り、腹筋運動へのやみくもな期待を捨てることから。
「まず伸ばすこと、そして呼吸です。というのも“いわゆる腹筋運動”で鍛えられるのはお腹の上部と表層だけ。鍛えると胃のあたりの筋肉が6つに割れることからシックスパックと呼ばれる状態になる部分です。マッチョな体形が欲しい人にはそれもいいでしょう。でも、40歳以上の女性におすすめしたいのは、お腹を引っ込めた上で女性らしい体形ときれいな姿勢を保ち、年齢を重ねても続けられる運動です」
お腹を支える筋肉の構造を簡単に知っておこう。
「お腹まわりの筋肉は、表層の腹直筋、サイドから支える内腹斜筋と外腹斜筋、そして腹斜筋の内層にある腹横筋の4層。腹斜筋と腹横筋は深い層にあることからインナーマッスルと呼ばれます」
中高年女性に多い下腹ぽっこりは、加齢で下垂した内臓に内臓脂肪、皮膚直下に皮下脂肪が堆積した状態をさす。
「下垂した内臓を支えているのがインナーマッスル。加齢とともに腹横筋が衰える→内臓が下垂し→その重さで腹膜がのび→血流が悪くなり→内臓脂肪も皮下脂肪もたまりやすく→さらにインナーマッスルが衰える、という悪循環に陥ります。悪循環を断つには腹横筋と、両脇から内臓を支える腹斜筋という2つの筋肉をしなやかに保つためのエクササイズが必要です」