からだ

“隠れ心不全”とは? など、心臓を守るための6つのQ&A

  • 撮影・中島慶子 文・及川夕子

Q. 心臓病にはどのようなものがあるのでしょうか?

心臓病とは、心臓に起こる病気の総称で心疾患とも呼ばれます。

人が生きていくためには、血液を通じて、身体の各部位に充分な酸素と栄養を行き渡らせることが大切です。その血液を全身へ送るポンプの働きをしているのが心臓です。よって、ポンプの働きが落ちると、次々と身体に影響が表れてきて、命に関わることも出てきます。
心臓は、筋肉やそれを養っている血管(冠動脈)、血液の方向性を決める弁、そして心臓が動くリズムをつかさどっている伝導系によって成り立っており、それらに何らかの障害が起こると、心不全になることがあります。

心臓病には、さまざまなものがあります。代表的なのは、冠動脈の動脈硬化が原因で起こる冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞の2つがあり、虚血性心疾患とも言う)、心筋症、弁膜症、心膜炎、不整脈(心房細動、心室期外収縮など)です。
また、もともと心臓に問題がある先天性の心臓病もあれば、生活習慣や加齢が関係する後天性の心臓病もあります。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、心臓病の発症リスクを高めます。
突然死の原因で最も多いのは、急性心筋梗塞ですが、心臓が停止する直接の原因は、心室細動という不整脈が大部分を占めます。心室細動が起こると、心臓はポンプとしての機能を失うため死に至ります。心筋梗塞発作は、就寝中が最も多く、朝方に発症のピークがあることで知られています。

女性の心臓病については、女性ホルモンのエストロゲンの影響を受けるために、閉経後に発症するケースが多くなります。
心筋梗塞や狭心症では、男性は胸痛を訴えることが多いのに対して、女性では背中が痛い、あごや歯が痛い、腹痛や嘔吐がある、急に呼吸が苦しくなるなど、心臓病とわからないような症状を訴えることが多く、発見が遅れることがあります。

心不全の原因はさまざま

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