シワは必ずしもネガティブなだけの存在ではない、と思う。たとえば、笑ったとき、一時的にできる目尻のシワは、表情豊かに暮らしている証拠。“幸せジワ”と呼びたくなる“いいシワ”の代表だ。ある程度の年齢になり、無表情な仏頂面になっている方が、不気味に感じられたりする。
けれど、眉間にパキッと入った縦ジワ、目の下に影をつくってしまうたるみジワやちりめんジワ、深くくっきり刻まれたほうれい線、俗にゴルゴラインと呼ばれる頬のくぼみなどはいただけない。それがあるだけで、険のある意地悪な雰囲気や、不幸せそうなニュアンスが漂ってしまうからだ。
最近の研究により、本来なら表情によって一時的にできるシワが、くっきりと定着してしまう原因がわかってきた。それは、常に同じ部位に負荷がかかることにより、肌がキズを負ったかのように勘違いしてしまうというもの。一説によると、笑ったときにできる口元のシワには1cmあたり30g、しかめっ面をしたときの眉間のシワには70gもの表情圧がかかっているという。肌に程よいハリと弾力があるうちは、その圧にも耐えられるが、折り重なる圧と肌の疲弊が重なると、くっきりとした“悪いシワ”になりやすい。
また、真顔で鏡を覗き込んでいるときにはないけれど、話をしたり目や口を動かしたときの表情のクセによりできる、いうなれば“無意識ジワ”の存在にも注意をしたい。“シワの兆し”であるこのシワは、顔型によって生じやすい部位が異なるため、自分の弱点を知り、早め早めのケアをしておくのが得策。最新のシワ対策の化粧品は、シワが定着されるのを防ぐ働きもあるため、先回りして使っておくといい。