美容ジャーナリストの倉田真由美さんが解説! シワの悩みに必要なコスメはこれ。
文・倉田真由美 撮影・金子吉輝
【シワ】くっきりと定着した“悪いシワ”をなくし、しなやかな幸せ顔に。
シワは必ずしもネガティブなだけの存在ではない、と思う。たとえば、笑ったとき、一時的にできる目尻のシワは、表情豊かに暮らしている証拠。“幸せジワ”と呼びたくなる“いいシワ”の代表だ。ある程度の年齢になり、無表情な仏頂面になっている方が、不気味に感じられたりする。
けれど、眉間にパキッと入った縦ジワ、目の下に影をつくってしまうたるみジワやちりめんジワ、深くくっきり刻まれたほうれい線、俗にゴルゴラインと呼ばれる頬のくぼみなどはいただけない。それがあるだけで、険のある意地悪な雰囲気や、不幸せそうなニュアンスが漂ってしまうからだ。
最近の研究により、本来なら表情によって一時的にできるシワが、くっきりと定着してしまう原因がわかってきた。それは、常に同じ部位に負荷がかかることにより、肌がキズを負ったかのように勘違いしてしまうというもの。一説によると、笑ったときにできる口元のシワには1cmあたり30g、しかめっ面をしたときの眉間のシワには70gもの表情圧がかかっているという。肌に程よいハリと弾力があるうちは、その圧にも耐えられるが、折り重なる圧と肌の疲弊が重なると、くっきりとした“悪いシワ”になりやすい。
また、真顔で鏡を覗き込んでいるときにはないけれど、話をしたり目や口を動かしたときの表情のクセによりできる、いうなれば“無意識ジワ”の存在にも注意をしたい。“シワの兆し”であるこのシワは、顔型によって生じやすい部位が異なるため、自分の弱点を知り、早め早めのケアをしておくのが得策。最新のシワ対策の化粧品は、シワが定着されるのを防ぐ働きもあるため、先回りして使っておくといい。
シワをほぐし、断ち切るようにクリーム類を塗りこむ。
シワの存在を真っ先に感じやすいところといえば、やはり目元と口元。ここには、年齢とともに失われやすいコラーゲンやヒアルロン酸などをたっぷり補い、ふっくらとした弾力と、いい意味での厚みをもたらしておくこと。特に目元の皮膚は、頬などの1/2〜1/3程度の厚みしかなく、皮脂の分泌もほとんどないため、こっくりとした感触のクリームで保護しておくことが欠かせない。さらに、肌の深部にピンとしたハリとなめらかさを再構築することで、表情圧による肌の負荷やダメージの蓄積を和らげる化粧品を習慣的に取り入れておこう。
眉間のシワや、ものを食べたりするときの口をすぼめる動きによって生じるシワは、もっとも“年配感”を印象づけやすいシワ。そこにクリーム類をつけるときは、シワを断ち切るように垂直につけるのがコツ。こわばった表情筋をやさしくほぐし、なめらかにプレスするようにつけるのもいい。
シワが増えるから笑いたくない、という人がときどきいるが、それこそナンセンスな話。しなやかで柔和な“いいシワ”はそのままに、くっきりと深く刻まれた“悪いシワ”だけを排除。幸多い肌と顔立ちをキープしよう。
顔の特徴によってできやすいシワとは?
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