1回の食事で肉と魚をたっぷり、もっちりプルプルな美肌に。
撮影・小出和弘
タンパク質、鉄、ビタミンB群の不足で肌から老化していく。
栄養療法の具体的な内容としては、まずタンパク質をしっかり摂ること。特に、体内に効率よく吸収される動物性タンパク質をメインに、1日600gの肉・魚・卵・大豆を摂取することが望ましいとされている。
肌にハリを出すコラーゲン、キメを整えるケラチン、真皮の保湿を担うコンドロイチンなどの成分はタンパク質からできている。摂取するタンパク質が少ないと、直接命にかかわる脳、心臓、腎臓、肝臓などに優先的に送られ、肌にはほとんど使われない。そのために肌から目に見えて老化するという現象が起きてしまうのだ。
「大切なのはタンパク質だけではありません。鉄が足りないと、全身に酸素を運ぶ役目をする赤血球がうまく作れなくなり、身体が酸欠状態になってしまいます。また、ビタミンBが不足すると身体中の細胞がうまく働かなくなり健康状態が損なわれてしまいます」
タンパク質、鉄、ビタミンB群は、健康にもアンチエイジングにも最も大切な栄養素。そしてこれらを効率よく摂取するには動物性タンパク質、なかでも赤い肉が最適なのだ。おすすめは牛肉のヒレ、モモなど赤身の部分。鴨やラム、レバーも積極的に摂りたい。
「ただ、普段肉を食べていない人が急に肉を大量に摂るのは注意が必要。肉を食べない人の体内では、肉を消化するための消化酵素が充分に作れないのです。だから少し肉を食べるともたれたり下痢をしたりしてしまう。それでますます肉を食べなくなる悪循環になってしまっているのです」
そういう人はいきなりステーキを食べるのではなく、薄切り肉を少しずつ食べたり、肉をたたいてミンチにしてみたり、少しずつ慣れていく必要がある。また、肉をどんどん食べて美肌になることを柴さんは「肉食美肌」と呼んでいるが、肉だけ食べていればいいわけではないという。
「最もいいのは赤い肉ですが、食生活の基本はバランスよく、より多くの食材から栄養を摂ること。動物性タンパク質も肉と魚介類からバランスよく摂りましょう。食物アレルギーのリスクを減らすうえでも大切なことです」