Vol.3 乳房が痛みますが、乳がんの可能性は?【40歳からのからだ塾WEB版】
文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子
新連載・40代からのからだ塾では、更年期世代(40〜50代)の女性に起こりがちな症状について、原因や対処法をお伝えしていきます。更年期まっただ中にいるライター及川が、医師や専門家に根掘り葉掘り。知っておきたい検査の情報やスクリーニングの考え方なども紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
こんにちは。ライターの及川です。
40代、乳がんの好発年齢ということで、私の場合、2年に一度のマンモグラフィー(住民検診)は欠かさず受けるようにしています。本当は毎年受けなきゃと思っているところです。
マンモグラフィー検査は圧迫されるのがちょっと嫌ですけれど、大事な体を守るためと思えば、我慢できる痛みです。それよりも胃カメラ検査の方が苦手です〜。
ところで皆さんは、生理前などに乳房が痛くなることはありますか?
日本女性の乳がんの発症率は、現在12人に1人。発症率は年々上がっていますし、痛みがあると「もしかして……、がん?」と不安になりますよね。
そこで今回は、「乳房が痛いときどうする?」がテーマです。
乳房痛の多くは、ホルモンの変動が原因!?
クロワッサン本誌でもお伝えしましたが、「ホルモンが変動すると、乳房に痛みが出ることがある」ことをまずは知っておきましょう。私は、チクチクしたり、ズーンと感じたり、その時々で違いますが、やはり生理周期と関係している実感はあります。
毎月生理があれば、生理前に痛くなるなど、わかりやすいのですが。
専門医の土井卓子先生によると、生理周期が乱れてくる更年期には、数ヵ月ごとに痛くなったりすることもあるそうです。
また、60代、70代でも乳房痛が出ることはあるそうなんですね。
よくある症状だからこそ、正しい知識を持っておきたいですね。
乳がんが原因で痛みが出るということはあまりないそうで、多くの場合は心配ないとのことですが、見分けるポイントとしては次のようになります。
乳がんかどうか、見分けるポイント
乳がんの可能性が低いのは……
- ●肩こりにつながるような痛みv
- ●わきが痛いように感じる
- ●なんとなく重苦しい痛み
- ●ずっとではなく、そのうち忘れてしまう痛み
- ●鎮痛剤が効かない
乳がんの可能性を疑う痛みとは……
- ●炎症を起こしていて激痛が走るような痛み
- ●特定の部位がずっと痛い
どうでしょう? どちらに当てはまりますか?
いずれにせよ、思い悩むくらいなら検診をきちんと受けておくべきですね。
それから自己触診も大事です。
乳がんを発見した人の多くが、自分で異常に気づき病院を受診しているという現実があります。
まとめです。
そのうち忘れてしまう痛み、鎮痛剤が効かないような痛みは、乳がんの可能性は低いとのことです。
40代は乳がん好発年齢です。異常がなくても検診を受けて。できれば毎年。
授乳経験のない女性では乳腺の密度が高い人が多く(デンスブレストといいます)、マンモグラフィーでは、がんが見つかりにくい場合があります。
マンモに超音波(エコー)検査の併用が推奨されています。
ただ、公的検診(住民検診)では、40歳以上、2年に1度のマンモしかカバーされていません。職場検診や住民検診でカバーされない分は自費でプラスして、毎年受けることが、やはり理想だそうです。
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