【ヨガのポーズ86】“平らか” 開脚水平位——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方
水平線と太陽に、自分をたとえて。悠久の年月を感じてみましょう── 一年が過ぎようとしている今、新たな年が静かで穏やかであるよう祈る思いは皆、同じなのではないでしょうか。そんなときにおすすめしたいポーズです。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
開脚水平位
脚を伸ばして床に座り、腰を立て、両脚を左右にできるだけ大きく開き、つま先を上に向けます。両腕を肩と水平に伸ばしましょう。深呼吸して8秒。
平らか。いい言葉です。
世はおしなべて事もなし、という詩の一節もありますね。そうありたい、あってほしいと願いながら、叶わない現実も。がんばった人も、そうでもなかった人も、12月、一年のしめくくりを迎えます。いろいろあったけれど、ふり返ってみればよい年だった──そう思って終わりたい。
そんな気分を、カラダで表してみましょう。
脚を伸ばして床に座り、腰を立て、両脚を左右に開きます。できるところまで、がんばって開きましょうか。そして、両腕を肩と水平に伸ばします。
イメージは、水平線に太陽が沈んでゆく風景です。頭が、太陽ですね。いったん陽は沈むけれど、翌朝にはまた太陽が昇ってきます。
新たな年を迎えるためにも、平らかな気持ちを自分で作っていこう。フラットな状態にして、また歩きだそう。ココロの持ち方を、水平なカラダでなぞらえていくわけです。
どんな時代も、変化はつきもの。変わらないものはありませんが、変化に翻弄されるばかりでは、生きにくいですね。まずは、自分の周りを平らかにすることから始めたいものです。除夜の鐘の音を聞きながら、このポーズでココロを鎮め、繰り返される悠久の年月を感じてみるのも一興では。
『クロワッサン』1155号より
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