【ヨガのポーズ80】“段階的に” スーパーマンのポーズ——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方

手のひらを上に向けると多裂筋により効きます

うつ伏せになり、右手・左足を浮かせてバランスをとり、次に左手・右足を浮かせます。手足は、対角線上に引っ張り合っているイメージで行いましょう。深い呼吸を続けながら8秒。

うつ伏せから、スーパーマンが空を飛ぶかのようなポーズになりましょう。こんなふうに声をかけたら、皆さん、一気に手足を持ち上げるのではないでしょうか。でも、それでは反動で動かしているだけで、かえって腰を痛めかねません。

コツは、「段階的に」です。

まず、右手と左足を浮かせます。次に、左手と右足を浮かせます。対角線上に伸ばそうとすると、バランスをとりやすくなり、じわじわと筋肉へも働きかけてくれます。

このポーズが教えてくれるのは、完成されたものだけに意味があるわけじゃないということ。むしろ、段階的に進むことに意味がある。途中のポーズも、その段階の完成形であるわけで、一つひとつに取り組むことで次につながり、最終的には完成形に到達します。

ヨガでよく「できるところまででいい」といわれるのは、そういう意味なんですよね。試してみても、今日のスーパーマンと、1カ月後、半年後のスーパーマンとは違うし、変わっていくそれぞれが、その時の完成形なんです。

さて、このポーズ、背中を走る多裂筋を鍛えてくれるのですが、多裂筋とは上半身の姿勢を維持するための、とても大事な筋肉です。連動して、骨盤底筋群にも有効ですので、女性にはうれしいポーズなんです。