劔樹人さんが気になる数年来の体の疲れは更年期障害!?
イラストレーション・犬山紙子 構成&文・中條裕子
このところ以前と比べて疲れやすさを感じているという、劔樹人さん。男性更年期かも?と疑う気持ちから、今回、久末さんの診療を受けることに。当日は、テストステロン値を測る採血をはじめ、骨密度、動脈硬化の3つの検査を受けたあと、問診がスタート。
まずは、体の疲れを感じ始めたのがいつごろからなのかという質問に、
「2年くらい前です。コロナにかかった後にすごく疲れやすくなって。以前は運動していたのに、意欲はあっても体が動かなくなってしまったんです」
と、劔さん。もっぱらの悩みは、この疲れやすさ。寝つきの悪さや気分の落ち込みがあって、7年ほど前から心療内科で睡眠薬を処方されていたが、現在のような身体的疲れを感じたことはなかった。そうした話から、男性更年期という結果が出てもおかしくない、と久末さんは指摘。
「実は、コロナの後遺症の一つとしての男性更年期は水面下で意外と多いのではないかと思っています。コロナの感染後には精巣機能が落ちてしまい、男性ホルモンの値が回復するのに1年以上かかるといわれているんです。その間に悪循環に陥ってしまい、それが男性更年期を発症する一つのきっかけとなる場合があるのでは、と」
どういうことかというと……コロナ感染で体を動かさないと筋力が落ちてテストステロンが低下。いったん低下するとやる気が出ず、運動ができなくなりさらに筋肉が落ちる、という負のスパイラルに入ってしまうのだ。
一度沼にハマってしまうと、抜けられないのが男性更年期。
「採血の結果が悪くなくても、元気だったころの高いベースラインから、今は低めになっていると思うんです。結果が正常範囲だったとしても、テストステロンを補充する注射を一回打ってみるという手も考えられます」
注射を打つことで、もともとの自分の状態がどうだったかを再確認することができるのだ、という。注射が効かなければ、テストステロンが低いせいではなく、加齢やストレスが原因だったのではないかという結論になる。
「男性更年期は、一回沼にハマってしまうと自力で抜けるのが難しいんです。沼を抜けるきっかけとなるのがテストステロンの注射。注射を打つと調子が上向きになり、じゃあ頑張ろうとあとは自力で大丈夫な状態に。そこまで持っていくのに自分でやるか、少し注射の力を借りるか、という感じです」
という久末さんの話を受けて、劔さんの口から「なかなかやる気が出ないけれど、筋トレに挑戦してみるのはよいでしょうか?」という質問が。
「筋トレはいいと思います。テストステロンを上げるには、筋肉量を増やすことが何より大事。そのためには太ももを中心に鍛えることです。私自身も毎日、歯磨きの際うがいをする間に必ず30回スクワットをしていますよ。習慣化すると続けられるので」
筋トレと共にすすめられたのが、男性ホルモンを増やすのに役立つ食べ物。にんにく、にら、ねぎといったアリシンと、ビタミンB1を含む肉の組み合わせがいいと聞き、劔さんも納得。久しぶりに筋トレを再開して、同時に食事での改善策に積極的に取り組もうという気持ちが生まれた。
【検査結果】
● テストステロン値は正常値範囲内
● 動脈硬化検査問題なし
● 骨密度検査問題なし
結果としては、テストステロンに関連する血液検査は全て正常値範囲内でした。ただ、数値に問題がなくても症状を感じる場合、もともとベースが高かったものが正常値まで下がっている可能性も。そうした際は注射でテストステロンを補充するより、筋トレと食事の見直しで症状改善につながると思います。あとは、副作用のない漢方やアリナミンといった栄養剤も初期であればテストステロン値が上がるので、試してみるのもよいでしょう。
\筋トレを朝の習慣に取り入れてます!/
やる気がないときも今は仕方ないと、お互い思いやれるようになりました。
今回、男性更年期について改めて学んだ、劔さん。妻の犬山さんとお互いの体について話すきっかけになってよかった、という。
劔樹人さん(以下、劔) 久しぶりに以前よくやっていた、片足を下げて腰を落とす下半身トレーニングの〈ランジ〉を再開したね。
犬山紙子さん(以下、犬山) そうだよね。2年くらい前までは疲れやすいこともなく動けていたのに、今は体重も増えてしまい心配していたけど。きっかけができてよかった。
劔 今は2人で筋トレしてます。
犬山 相手がやっていると「お、こちらもやるか」みたいになっているね。私も髪を乾かしながら、スクワットしているし。
劔 “スタミナ料理”の定番、餃子も2日に1回は食べてるよね。元気なくなると負のスパイラルに入るとわかったし、気をつけないと。
犬山 健康に対するモチベーションも上がったし、更年期対策もルーティンに加えたい。
劔 やらないといけない、長生きのために。
『クロワッサン』1127号より
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