教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康
撮影・森山祐子 イラストレーション・竹井晴日 文・古屋美枝
アンケートデータ
年齢:45歳~65歳
居住地:日本全国
性別:女性
人数:300名(40代、50代、60代各100名ずつ)
アンケート取得日程:2024年8月
Q. 10年前に比べて、“体の変化”を感じることはありますか?
70%以上の人が自分の体が10年前とは違う、と感じているという結果に。なかでも肌や髪など見た目にわかりやすい変化を感じている人が80%以上といちばん多かった。
次点で「老眼が進んだ」「視力が落ちた」など目に関する変化や、「疲れやすくなった」など体力に関する変化にも多くの声があつまった。
教えて、高尾美穂さん!女性の体はどうして変化するの?
ほとんどは女性ホルモンの影響、自信をつけ乗り越えて
更年期前後やそれ以降に、今まで当たり前にできていたことができなくなってきたり、さまざまな衰えを認識して自信をなくしてしまったり……。このような変化はなぜ起こるのだろうか。
「まず女性の場合、加齢性の変化の多くはホルモンが関わっている、ということを知っておくといいと思います。実際、生理があった約40年間は、エストロゲンが多く分泌されていたからこその特別な期間。ゲームでいえば、ボーナスステージみたいなものです」
「だからその後、あったものがなくなってさみしい、みたいな気持ちになるかもしれないけれど、実はデフォルトに戻ったという考え方もできます」
と言うのは産婦人科医の高尾美穂さん。肌や髪、関節痛、寝つき、乾燥などは自分でも変化を実感しやすい。
「自分にわかりやすいものが変化しているということは、体の内側も変化しているということ。それを自覚し、目を向けることが、自分の体と向き合う良い機会になると思います」
自分の心身をポジティブに捉え、年を重ねていくにはどうしたらよい?
「すべては捉え方次第だと思うんです。たとえば今、20代の自分に戻りたいかと言われたら、社会的、経済的な面を考えて戻りたくないと思う人も多いはず。今の自分をパーツで見たらもちろん不満はあるけれど、全体で見たときに『まあまあいいんじゃない?』と思える考え方がすごく大事だと思います」
自信を失わず、それどころか新たに自信をつけるには、その理由になり得るようなアクションを起こすことがマスト。
「たとえばずっと気になっていた化粧品を使い始めたらワクワクするし、自分のためにいいことをしてる、って思う。そんな気持ちが自分を慈しむことに繋がり、自信を生むと思うんです。多くの人は、知識はあっても行動に移さないで終わってしまいがち。アンテナに引っかかったことに対して、アクションを起こせているかが、心持ちに大きく影響しますよね」
気になった健康法を実践してみるのもアクションの一つ。今、なかなか自分の時間が取れない人も、常にアンテナを張り、準備をしておくことが大切。
「心が揺れるものを見つけたときに、箇条書きにしておくのがおすすめ。行動に移すのは何年後でもいいから、心算しておくことが大事です。そうすればたとえば子どもが独立したときにもさみしいなんて言わず、『やっと時間ができた!』とテンションが上がりますよね。楽しみや好きをたくさん探して行動して健やかに生きていきましょう」
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