いつもの歩幅を1cm伸ばして、一生歩ける体を作ろう
撮影・小川朋央 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・大谷亮治 モデル・三村あみ イラストレーション・浅妻健司 構成&文・堀越和幸
腕を振る:上半身を緩めて動かせば、歩行はよりスムーズになる
歩幅を伸ばす、がテーマなのになぜ腕を振ることが大切なのか?
「腕を振ると上半身が揺れて背骨が回旋しやすくなります。背骨が回旋すると今度は骨盤が回旋しやすくなり、結果、足が動きやすくなるのです」
試しに腕を振らずに歩いてみよう。振るときに比べて骨盤が動きづらく、すると歩行もどことなくぎこちなくなってしまうのがわかる。
「上半身が固まっていると下半身に影響します。左のエクササイズで、肩の力を抜く感じや腕をダイナミックに動かす感覚を磨いてみてください」
両腕スイング
1. 肩幅に両足で立って、胸を張り、両肘を後方に引く。
2. その状態から両腕を前に振り出し、振り出したら再び後ろに引く。それをリズミカルに20回繰り返す。これがなめらかにできると歩行の推進力が生まれる。
片手交互突き出し
1. 肩幅に両足で立って右手をまっすぐ前に突き出し、左手は肘をまげ後ろに引く。
2. 次に左手を前、右手を後ろに、これをリズミカルに20回繰り返す。左右対象の動きで上半身にねじれを感じながらするのが大切。
速度を上げる:速さに負けない歩き方を獲得するために
歩幅を伸ばすための4つ目の項目は〝速度を上げる〟。速歩きをすると大股になるのは誰でも経験的に知っている。
「歩行速度=足の回転数×歩幅、という式で表され、足の回転数には限界があるので、速く歩けば自ずと歩幅が広くなるという理屈です」
歩行速度に従って自然と歩幅を伸ばす、そのために必要なのは……。
「なめらかな股関節の可動域と、片方の足が地面に接地したらもう片方の足を引き上げるという動作のスムーズな切り替えです。これができるようになると自然とストライドは大きくなります」
開脚太ももストレッチ
1. 左足を前へ踏み出し右足は後ろへ。両膝を曲げ、前後に大きく開脚。上体を前に倒し、左足の位置で床に両手をつく。
2. 次にお尻を床方向にギューッと押すように近づけ、右の鼠蹊部を伸ばす。左右10回ずつ行う。
沈み込み片足蹴り上げ
1. 右足は前、左足は後ろへ。両膝と両肘を軽く曲げ、かけっこのスタート姿勢をとる。
2. 沈み込んでいた姿勢から右足を軸に立ち、左の膝を高く蹴り上げる。このとき体が一直線になるように。左右10回ずつ行う。
『クロワッサン』1135号より
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