バレエ気分の「エレコア」でスマホ首を改善、すっきり小顔に。

（肩）
巻き肩の影響で歪んだ肩を整える。歪みを整えると、腕の筋肉や、胸を支える「大胸筋」も動かしやすくなる。

（背中）
背骨を支える「多裂筋」を刺激。多裂筋が肩甲骨まわりと連動して自由に動けるようになると、背中がスッキリ。

（肩甲骨）
猫背で硬くなった、肩甲骨まわりの「菱形筋（りょうけいきん）」や、背中から腰、腕へとつながる大きな筋肉「広背筋」にアプローチ。

あらゆる世代を悩ます「スマホ首」。顔が前に出た猫背の状態を指すが、首や肩のコリ、頭痛の原因にもなり、さらにあごのたるみも招くなど、健康と美容の両面に悪影響を及ぼしている。

「上半身だけの問題ではありません。『スマホ首』だと、首や肩、背中の筋肉に負荷がかかり過ぎて、正しい姿勢を保てません。関節も硬くなるので、筋肉を満遍なく動かせず、下腹部がポッコリしたり、お尻が垂れるなど体のラインが崩れます。同時に血流が滞り、冷えやむくみも起きやすいでしょう」（パーソナルトレーナー・隅田咲さん）

全身にトラブルを生む「スマホ首」の改善には、隅田さんが自身のバレエ経験をもとに考案した「エレコア」が役立つ。バレリーナのようにしなやかな筋肉と、エレガントで芯（コア）のある体を作ってくれるメソッドだ。

「バレエに似た動きをするだけで、硬くなった関節と使いすぎの筋肉は緩まり、使っていなかった筋肉が目覚めます。誰でも簡単に取り入れられる動きですが、続けることでスマホ首が改善し、姿勢も整って美しいボディラインが蘇ります。まずはメソッドの要となる、基本姿勢づくりから始めましょう」

「エレコア」の効果を得るためには、普段の姿勢の悪いクセをリセットして、基本姿勢を維持しながら行うことが肝心。前傾していた首を引き上げ、基本姿勢を確認したら首を伸ばすストレッチをして、次のページに進もう。

縮みのない姿勢を実感する。

頭は上から吊られる感覚で、両足を揃えて立つ。両手の親指を左右の肋骨の一番下に当て、ほかの指は親指の真下の腰骨の前側の上あたりに。肋骨と腰骨が垂直のラインにくるよう、指の位置を確認しながら姿勢を調整。両肩は力まず、肩を引いて下げる。普段の姿勢との違いを確認して。

耳下〜肩のラインを伸ばす。

（1）右手を頭の左側、耳の上にかける。

（2）左手は手のひらを下にして斜め下、体の少し後ろ側に伸ばし、顔を少し右側に向け、右手で頭を斜め下に倒し、そのまま10秒キープ。呼吸は自然に。

（3）反対側も同様に。

【左右10秒ずつキープ】

猫背で硬く、縮んでしまった肩まわりの関節を伸ばし、正しいポジションに戻す動き。特に背中に脂肪がついている人は、肩まわりの歪みが主な原因なので、こまめにこの動きを行いたい。歪みが整うと、体を支える体幹の筋肉が使いやすくなり、代謝もアップ。

両腕で花弁のカーブを作る。

（1）かかとをつけ、つま先は45度に開いて立つ。ひじを軽く曲げ、両手を頭上に。指先が向き合うようにする。肩に力は入れない。呼吸は自然に。

（2）胸を右側にひねりながら、2秒かけて花弁が開くように両手を肩の位置まで下げながら腕を広げる。ひじは少し曲げたままで、目線は後ろ。腰は回さないよう注意。2秒かけて1に戻り、今度は左側にひねる。左右繰り返し10回。

【左右10回ずつ】

ひじを固定して腕を開閉。

（1）かかとをつけ、つま先は45度に開いて立つ。ひじを腰に近づけて90度に曲げ、手のひらを上に向け前に伸ばす。呼吸は自然に。

（2）ひじの位置を固定したまま、2秒かけて腕を横に開く。真横に開くのが理想だけれど、無理はしなくてOK。腰が反ったり肩が上がらないよう注意。2秒かけて1に戻り、開いて、閉じてを10回繰り返す。

肩甲骨をほぐす動きをすると、肩甲骨まわりにある「菱形筋」、背中から腕、腰へと広がる「広背筋」がほぐれ、正しい姿勢が維持しやすくなる。同時に、下半身の筋肉までバランスよく使えるようになる。頭の先からつま先までのつながりを感じながら行うと効果的。

指先からお尻までまっすぐ。

（1）両足を腰幅に開いて立ち、手は自然に下ろした状態で、手のひらを後ろに向ける。

（2）息を吸い、吐きながら上体を倒し、肩甲骨を寄せ合うように両腕を耳の横まで上げる。脚の付け根で曲がるイメージ。肩を上げず、腰が反ったり背中が丸まらないよう注意。吐ききったら息を吸いながら1に戻る。上体を起こす際も、背中はまっすぐ。10回繰り返す。

【10回】

脚の付け根で上体を曲げる。

（1）かかとをつけ、つま先を軽く開いて立つ。両ひじを曲げ、手のひらを内側に向ける。

（2）息を吸い、吐きながら脚の付け根から曲げるように上体を倒す。倒しながら、ひじを伸ばし、両手はできるだけ高い位置まで上げる。あごを引き、頭と手が引き合うように背中を伸ばすイメージ。背中はまっすぐ。息を吐ききったら、吸いながら1に戻る。10回繰り返す。

【10回】