なかなか改善しない「巻き肩」の根本原因は呼吸にあった!呼吸トレーニングとエクササイズ、マッサージで解消を。
撮影・青木和義 スタイリング・佐野友美 モデル・阿留奈 イラストレーション・山口正児 構成&文・中條裕子
風船を使った応用の呼吸トレーニング。
息を吐く、肋骨を下げる、ということに慣れてきたら、風船を膨らませてみよう。風船を使うとしっかり息を吐くことを体感できる。唇をすぼませ、頬を膨らませず風船に空気を送り込むようにするのがポイント。
(1)椅子に腰掛け、片方の手で風船を持って口にくわえる。もう片方の手は肋骨の上に。
(2)肋骨が自然に下がっていくのを手で感じながら、ゆっくり息を長く吐き、風船を膨らませる。
(3)息を吐ききったら3秒静止して鼻から息を吸う。
(4)鼻から吸った息を吐いて風船を膨らませる。これを4〜5回繰り返す。息を吸う際に肩が巻いてきたりすくんだりしないように気をつける。最後は背中が丸まってくるくらいで構わない。後で巻いていた肩の内側に空気を入れるために、ここではしっかり吐ききることがポイント。
【風船を膨らませ息を吐ききって3秒静止、鼻から息を吸ってまた風船を膨らませる4〜5回】
NG
呼吸を助けるエクササイズとマッサージ。
胸椎エクササイズ
頸椎と腰椎の間、背骨の中央にあり12個の骨で構成されている胸椎。呼吸がきちんとできていないとここが回らないので、しっかりと息を吐きながら行う。続けてしっかり吸えれば、巻き肩の原因になっている筋肉を伸ばすことができる。体がいつもより硬いと感じたら行うとよい。
(1)背中を丸くして両手両膝をつく。
(2)そのまま左足を左手の外側に置く。
(3)肩甲骨を寄せるように左肘を上げ、左腕を伸ばす。
(4)息を吐きながら肋骨を下げ(特に下側=右)、お腹を使っているのを確認しながら左腕を肩甲骨からまっすぐ上に伸ばして天井を見る。上側(=左)の肋骨が広がるように鼻から息を吸う。呼吸を4〜5回繰り返す。反対側もまた同じように行う。
これまででしっかり息を吐くことを確認したので、今度は巻き肩の元となっている肩の前側の「くぼみ」に空気を入れていくことがポイント。息を吸った際に胸筋の奥でストレッチを感じたらベスト。
【4〜5呼吸左右2セット】
NG
腹直筋マッサージ
姿勢を安定させる役割の腹直筋ががんばりすぎていると、猫背や巻き肩の原因になる。押すと痛みを感じる人が多いが、ここを解放しないと息を吐ききることができない。まずはマッサージで緩めるようにして。
(1)椅子に座り、みぞおちの骨が三角になっているところから指2、3本ほど下に人差し指と中指を当てる。上から反対の手あを指にかぶせるように置く。お腹の力を抜いて、骨のへりをなぞるように押していく。強く押さなくてもよい。
(2)続けて、腹直筋の下のほう、ちょうどおへその横あたりのところで指の腹を使って腹直筋を探す。
見つかったら反対の手をかぶせて、上下左右にさする。
【各10回くらい】
胸筋群マッサージ
大胸筋と小胸筋などの胸の筋肉を押して痛みを感じるのは、日頃からそこを使って呼吸している証し。こちらもまた日頃から緩めておくようにしたい。マッサージはどちらもゆったり深い呼吸で行うのがポイント。
(1)鎖骨の肩側3分の1より外側のコリコリしているところにあるくぼみを触る。
(2)肩を巻いて指をグッと入れる。
(3)指を置いたまま圧をかけながら、肩甲骨と腕を一緒に後ろに引くイメージで肩を後ろに引く。左右10回ほど。
【左右10回くらい】
『クロワッサン』1110号より