「ためる」ポーズで、“いつか”のためにエネルギーを蓄える【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
人間、いきなり走り出すことはできません。
才能も、一気に花開くことはありません。
助走や準備の時間のほうが大切なのではないでしょうか。
才能も、一気に花開くことはありません。
助走や準備の時間のほうが大切なのではないでしょうか。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
〈ためる〉“大きく動くために、小さく縮む。 そのために今は、力をためる時。”
あぐらをかいて、カラダを前に倒していき、お尻が高く上がったところで両脚を開く――股関節がしっかり広がっていますね。何をイメージするかと言えば、そう、カエル脚。平泳ぎの蹴り出す直前の形に見えませんか?
蹴り出すには、股関節、ひざ関節、足首の関節という3つの関節をしっかり屈曲させ、筋肉も収縮させて、可動域の確保をする必要があります。
大きく動くために、小さく縮む。
つまり、ためを作る。ためる。
字で書くと、溜める、でしょうか。
植物で言えば、芽を出す前。外から見たら、変化はないけれど、芽吹く前はエネルギーをたっぷりため、時季がきたら一気に花開く。
人も同じです。
いつかいい形で花開かせるために積み重ねることが大事で、そのことは、決してあなたを裏切りません。
その積み重ねは、一見わかりにくいかもしれません。極地の海に浮かぶ氷山を想像してみてください。海面から見える氷はほんの一部分。その何倍もの氷が、実は海の中に沈んでいます。海の中の氷が大きく、厚みがあるか。小さく、薄っぺらかどうか。いつか、その違いがわかる時が来ます。
その“いつか”のために、地道だけれど着実に、エネルギーをためていきませんか。
カエル脚のポーズ
あぐらをかいて座ります。上体を前に倒していき、自然にお尻がいちばん高く上がったところで、両脚をカエルのように開きます。上体は床につけて、深い呼吸で8秒キープ。1日1回。
『クロワッサン』1112号より