からだ

尿もれ、頻尿、膀胱炎…気になる尿トラブルをセルフケアで改善。

人に相談しづらい女性ならではの尿トラブルを、セルフケアで改善!
  • 撮影・中島慶子 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・遠藤芹菜 モデル・nozomi イラストレーション・竹井晴日 文・辻さゆり

こんなことありませんか?

□ くしゃみで尿もれした
□ 走ったら尿もれした
2回以上尿意で起きる
□ トイレの回数が増えた
□ 尿意が急で間に合わない
□ 陰部に痒みや乾燥がある

尿もれや頻尿など、気になるけれど病院に行くほどではないと感じる尿トラブル。そんな女性たちの相談に応じているのが「自由が丘ウロケアクリニック」院長の佐藤亜耶さん。

「泌尿器は症状が悪化するまで受診を我慢する人が多い。でも、早めに対処したほうが治りも早いんです」

女性に多い尿もれには2種類。急にトイレに行きたくなって間に合わずもれてしまう切迫性尿失禁と、筋肉のゆるみによってくしゃみや重い荷物が引き金となる腹圧性尿失禁だ。

「切迫性は冷えや水の音などに膀胱が過敏に反応する過活動膀胱が原因で起こることが多いです。腹圧性は女性ホルモンが減って筋肉が弱くなることによって起こるので、骨盤底筋を鍛えるトレーニングが有効です」

さらに「骨盤底筋トレーニングは頻尿にもいい」と佐藤さん。では、頻尿の目安となる排尿の回数とは?

「人によって違うので、回数はそんなに気にしなくていいと思います。原因としては過活動膀胱や不眠症、心因性など、いろいろ考えられます」

頻尿も我慢できそうであれば、排尿トレーニングを勧めているそうだ。トイレを我慢すると膀胱炎になるとも聞くが……。

「膀胱内に細菌が侵入することで排尿痛や頻尿を引き起こす膀胱炎ですが、2、3時間我慢したくらいではなりません。ただ、加齢によって潤いが足りなくなってくるので、フェムケアなど日頃のケアは大切。最近は女性の泌尿器科医も増えています。困ったらまず相談してみて」

\気を付けたいトラブル/

尿もれ

骨盤底筋のゆるみが主な原因で起きる。

くしゃみなどで腹圧がかかると尿がもれてしまうのが「腹圧性尿失禁」。冷えなどによる突然の尿意によってトイレに行くのが間に合わなくなるのが「切迫性尿失禁」。

頻尿

自律神経やメンタル、多角的なケアが大切。

トイレに何度も行きたくなる症状で、原因は「過活動膀胱」「心因性」と幅広い。回数はあまり気にしないこと。トイレを少し我慢してみるトレーニングも有効。

感染症

陰部の潤いバリアが足りず、細菌が入る。

免疫力が落ちたり、女性ホルモンの減少によってバリア機能が失われ、乾燥する。フェムケア用の石鹼を使用し、洗った後は専用のオイルやクリームで保湿を。

骨盤底筋 トレーニングで整える。

「尿もれやゆるみを、出産や年齢のせいとあきらめていませんか? 骨盤底筋は確かに年齢によって衰えますが、毎日トレーニングすることで改善できます」

そう話すのは、長年に及ぶ泌尿器科での看護師経験から、骨盤底筋トレーニングのプライベートサロンを開いた北條裕紀恵さん。

骨盤底筋は、全体の7割を占める遅筋線維と3割を占める速筋線維とで構成されている。平たく言えば、尿を溜める筋肉が遅筋で、くしゃみが出た時などにキュッと締めるのが速筋というイメージだ。

「骨盤底筋はインナーマッスルなので動かす感覚がつかみにくい。硬くなっている人も多いので、まずはそこをほぐすためのストレッチを1日1回は行ってください」

ストレッチの次は骨盤底筋を動かす運動。といっても骨盤底筋はインナーマッスルなので、手を当てて感じるくらいの微妙な動きだ。

「骨盤底筋を締めたりゆるめたりする運動です。一度にやるよりも隙間時間を見つけて分けてやったほうが続けやすいですね。毎日やれば、早い人なら6週間ほどで効果を実感できると思います」

1.場所を理解する。

骨盤底筋はインナーマッスル。坐骨、尾骨、恥骨の内側にある。

まず、骨盤底筋の位置を確認する。椅子に座り、坐骨の部分に親指が当たるようにして、尾骨の両側に指を差し入れる。尾骨と坐骨の中間くらいにあるのが骨盤底筋。このままの姿勢でゆっくりと尾骨を丸めるように動かすと、骨盤底筋が動くのが感じられるはず。

2.ストレッチで 伸ばす。

寝転がり、両足を上げる。右手のひらで右足の裏を、左手のひらで左足の裏を内側からつかむ。届かない人はそれぞれの足首を内側からつかむ。
 ↓

息を吐きながら左右に足を広げる。

自然な呼吸を繰り返しながら、股関節周りがほぐれる場所でキープ。足を閉じて広げるを10回ほど繰り返す。

3.骨盤底筋を動かす。

骨盤底筋の微妙な動きを感じながら。

尾骨に手のひらを当て、指を尾骨の内側に入れる。息を吐きながら骨盤底筋を締めて引き上げ(尾骨が手から離れる感じ)、5〜10秒キープしてゆるめる。次に、締めたらゆるめるを、1秒ずつスピーディに繰り返す。

お腹をへこませたり、お尻が上がったりするのは腹筋や大殿筋を使っているのでNG。力まないで。

お尻やお腹の筋肉を動かしてはダメ!

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