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専門医に聞く、更年期以降の高血圧・高コレステロール対策。

女性ホルモンが減ると、血管にも影響が。高血圧、高コレステロール対策のポイントを高血圧症の予防、改善に力を入れた診察を行う医師の米山喜平さんに聞いた。

撮影・三東サイ イラストレーション・川合翔子 文・長谷川未緒 

こんなことありませんか?

□ 昔より血圧が上がった
□ 塩辛いものが好きだ
□ 肉類をよく食べる
□ なかなか痩せられない
□ 脂っこいものが好きだ
□ ストレスが多い

若い頃は低血圧だったのに、更年期を迎えて高血圧になってきたという人は少なくない。高血圧を専門に診療する米山喜平さんによると、女性ホルモンのエストロゲンは血管をしなやかにするため、エストロゲンの減少で血管が硬くなり、血圧も上がる傾向にある。

「高血圧対策として、一般的には塩分摂取量を1日6g未満にする、ナトリウムを排出するカリウムを含む食材を多く摂る、青魚などに含まれる血液をサラサラにするオメガ3系脂肪酸を摂ることが推奨されています」

ただし肥満気味の人は、まずは標準体重に戻すことが最優先事項だという。過食傾向にあるため塩分摂取量が多かったり、血管内の脂質が多く、血液がサラサラと流れないことで、高血圧になっている可能性もあるからだ。

またエストロゲンには悪玉(LDL)コレステロールの生成や、血糖値の上昇を抑制する作用があるため、女性ホルモンが減る更年期以降は悪玉コレステロールが増えたり、血糖値が上がったり。

「高コレステロールは血液をドロドロにし、高血糖は血管の壁を傷めるため、それぞれが足を引っ張り合う形に。コレステロール対策としては、飽和脂肪酸(バター、肉、生クリームなど)を避けて、オメガ3系の油や食物繊維を多く摂るといいでしょう。血糖値対策としては、炭水化物を控えるほか、インシュリンの働きをよくするため、血糖値を低く保つ空腹の時間を作ることも必要。ともかく早めの、血圧コントロールが大切です。まず専門医を受診してください」

日々の血圧対策について、気になる疑問を米山さんに聞いた。

血圧・コレステロール対策のポイント

●太っているか痩せているかで血圧対策は異なる。
●女性ホルモンが減る更年期以降は悪玉コレステロールが増える。
●カリウムは大切、でも糖質に注意。
●コレステロール対策は飽和脂肪酸を摂らないこと。
●血糖値対策は空腹の時間を作ることが大切。

Q1.高血圧対策に、カリウムが多いバナナやトマト を積極的に摂っていますが、問題ないでしょうか。

A
ミネラルの一種であるカリウムは、高血圧の大きな要因であるナトリウム(塩分)の排出を促す働きがあります。カリウムが多い食材には、トマト、バナナのほか、豆類、芋類、ブドウ、メロン、キウイフルーツ、昆布やわかめなどがあります。
ただし、フルーツや芋類は糖質も多く、トマトなどを食べる際はドレッシングのかけすぎに注意が必要。肥満傾向にある人は、糖質が低くてカリウムの多い食材、たとえばアボカドやブロッコリー、白菜などがおすすめです。

専門医に聞く、更年期以降の高血圧・高コレステロール対策。

Q2.コレステロール値も高いです。 食べ物の選び方について教えてください。

A
健康診断で引っかかるほど高いコレステロール値を、食事だけでコントロールすることは容易ではありませんが、一般論としては、コレステロール値の高い食品を避けるとよいでしょう。
たとえば鶏卵やフォアグラ、魚卵など。卵はアイスクリームやカステラといったおやつ類にも含まれています。摂ったほうがいいものとしては、食物繊維が豊富な海藻類やきのこ、大豆や大豆製品、抗酸化作用のある緑黄色野菜などがあります。

また青魚やえごま油、アマニ油などのオメガ3系、ひまわり油、ごま油などのオメガ6系の油です。オメガ3系は酸化しやすく熱に弱いので、ドレッシングに使うなど、適量を生で摂取することをおすすめします。

専門医に聞く、更年期以降の高血圧・高コレステロール対策。

Q3. 40代後半から高血圧に。 更年期が終われば、 元の血圧に戻りますか。

A
年齢が上がるにつれ血圧も上がるのは自然なことなので、対処しなければ元に戻ることはありません。特に更年期は女性ホルモンの減少に加え、基礎代謝が落ちて太りやすくなることも高血圧の一因に。

また職場で重責のあるポジションについたり、子どもの受験や親の介護が始まったりと、メンタルの要素も高血圧を引き起こしがちです。

更年期の高血圧対策としては、専門医を受診する、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含む大豆製品を積極的に摂る、体重を落とす、ストレスを減らす等があります。早めのチェックを心がけてください。

Q4.痩せているのに、血圧が高いです。 食事や生活習慣で気をつけることはありますか。

A
肥満は高血圧の一因ですが、痩せ型でも高血圧になります。女性ホルモンの減少、塩分や糖分の高い食事のほか、自律神経の乱れも高血圧因子に。ストレスや不安、イライラ、睡眠不足、運動不足などに心当たりはありませんか。バランスのよい食事を摂り、体を動かして、よく寝ることを意識しましょう。

鎮痛剤や漢方の中には飲み続けると血圧を上げるものもあるので、常用薬がある人は医師に相談を。また高血圧の人の1割程度は、過剰に分泌されたホルモンが高血圧を引き起こす原発性アルドステロン症の可能性があります。気になる人は受診しましょう。

Q5.お酒と甘いものが大好きで、 ストレス解消にもなっています。 それでもやめないとダメですか?

A
最近体重が増え、原因としてお酒と甘いものが考えられるならば、やめると体重が落ち、血圧も安定してくる可能性があります。体重は変わらないのであれば、適量で楽しまれてはいかがでしょうか。適量のアルコールは血管を拡張し、血圧を下げます。女性なら赤ワイン1杯程度が目安。

甘いものは糖尿病のリスクが上がりますので、おやつにするなら血圧を下げるダークチョコレートと中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすナッツを。食べすぎると太るのでほどほどに。運動も適度ならば健康増進に効果がありますが、しすぎると故障の原因になりますよね。何事も適量がいいのです。

専門医に聞く、更年期以降の高血圧・高コレステロール対策。
  • 米山喜平

    米山喜平 さん (よねやま・きへい)

    田園都市高血圧クリニックかなえ院長

    日本循環器学会認定循環器専門医。大学病院勤務後、現職。高血圧症の予防、改善に力を入れた診察を行う。

『クロワッサン』1104号より

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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