「寄り添う」ポーズで、自立して離れていくためのひとときを感じる【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
「〇〇に寄り添う」とは、思いやりの象徴のような言葉です。
その意味を、今一度考えてみるのも一興だと思いませんか。
その意味を、今一度考えてみるのも一興だと思いませんか。
撮影・森山祐子 構成&文・越川典子
〈寄り添う〉“寄り添う時間は、自立して離れていくためのひととき。”
「寄り添う」って、実は好きな言葉ではありませんでした。
言い方は悪いけれど、上から目線。一方的な思いやり、押しつけ。そんなニュアンスをどこかに感じていました。そんなことを考えていて、ふと思ったのは、私の感じ方は、寄り添う側のことしか考えていなかったからかもしれないということでした。
考えてみれば、一人で何か(誰か)に寄り添うことはできません。寄り添う側があれば、寄り添われる側もある。もう一方の存在を認めなければ、この言葉は成り立たないのではないか。
そう考えると、感じ方が変わってきたのです。
寄り添うとは、文字どおり、自立した二者があってのこと。決して一体にはならない、独立した関係です。寄り添う側は、そばにいるだけ。寄り添われる側は、一定の時間を経過して、のちに離れていく――。そのための「ひととき」。そう考えれば、悪くない。
こんなことを考えながら自然とカラダが動いたのが、この八曲がりのポーズのプレワーク(準備)。自分と脚とが平行になって、まさに「寄り添う」の理想形です。互いに自立していることが前提で共にいる、そんな感覚が体感できる。いつか、それぞれがアクションを起こす準備の時間そのものだと思えてきました。
八曲がりのポーズ(準備)
腕2本でカラダを浮かせる八曲がりのポーズの、これはプレワーク(準備)。床に脚を伸ばして座り、左脚を曲げ、右脚を上げて右腕で抱え込みます。深い呼吸で8秒キープ。脚を入れ替えて行います。1日1回。
『クロワッサン』1101号より