越川 ちがやさん、奇跡の60歳と言われています。
美木 奇跡のなんて! 絶対にないです。たしかに努力はし続けているかもしれない。20代、30代の頃から中身は進歩していないけれどね(笑)。
越川 年齢を重ねると、退歩すると思う人が多いと思うけれど、ちがやさんはメイクもファッションも、昔よりずっと大胆で、かっこいい。進化していると思う。
美木 進化というか、この時代に生きているのだもの、“今”を生きなくちゃと思うのね。越川さんも新しい仕事を始めたり、女性の健康支援を続けていたり。
越川 メノポーズって、直訳すると閉経なのね。すべての女性の一生を健康面からサポートしていると言えばいいかな。医療も一つの手段だけれど、食事、睡眠、運動、美容など、あらゆるライフスタイルの選択が女性の人生を左右しているから。
美木 女性ってカラダの影響が大きいから、何を選ぶかがすごく大事で、いいカラダはいいものからできるということを年々痛感しているのよ。最近聞いたのだけれど、ケンブリッジ大学の研究によると、人間って1日に3万5000回も何かを選択していると言われているらしいの。
越川 そうなの? たしかに、朝、何を着ようか、リップの色は、朝ごはんは、ランチは、待ち合わせ場所への最短ルートは……と選んでいるけれど。このすべての選択が、選んだ瞬間から先の未来を作っているのかもしれないわね。トータルビューティーデザイナーという肩書は、まさに美をデザインする人。ちがやさんは、きれいのためのモーニングルーティンから、その日の自分をデザインしているのかしら。
美木 朝がいちばん大事だということは、長年の経験からわかっているから。
越川 具体的に何をしていますか?
美木 目が覚めたら、まずベッドの上で手脚を天井に向けて、ぶるぶる運動。血流をよくしてから、ベッドメーキングします。シーツをピシッとしないと気持ち悪い(笑)。口をすすいで、温冷洗顔。ホットパックと冷水と交互で。それから白湯を飲んでいたのだけれど、ここで一緒に飲むものが加わったんです。