肌がたるみ、疲れて見える時に。巡りを良くする野菜たっぷりの献立【週末肌養生ごはんのレシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・新田草子 食材提供・ビオ・マルシェ 撮影協力・日々器
肌がたるみ、疲れて見える
たるみは、体に余分な動物性脂質が溜まっているサイン。巡りを良くする玉ねぎに、不要物の排出を助けるしいたけを香ばしく焼いて加え、高野豆腐で食べ応えをプラスした味噌汁を献立の中心に。ぷちぷちとした歯ごたえの雑穀ご飯とともに、よく噛んでどうぞ。
●焼きしいたけと高野豆腐の具だくさん味噌汁
【材料(2人分)】
しいたけ(肉厚のもの)3個
玉ねぎ 1/6個(30g)
高野豆腐 1/2個
出汁(または水)400ml
味噌 大さじ2
好みの油(なたね油など)少々
しょうが(すりおろし)少々
【作り方】
1.玉ねぎは2cm幅にスライスする。
2.高野豆腐はお湯に浸して戻す。芯まで柔らかくなったら両手で挟んで水分を絞り、再びお湯に浸ける。これを2〜3度繰り返し、水気を絞って4cm長さの短冊切りにする。
3.しいたけはかさと軸に分け、かさは半分に切って、軸は縦に裂く。
4.フライパンに油を熱して3を入れ、こんがりとするまで焼き付ける。
5.鍋に1と2を入れ、出汁50mlを加えて、蓋をして中弱火で煮る。玉ねぎが柔らかくなったら残りの出汁と4のしいたけを加えて強火にし、煮立ったら火を止める。味噌を溶き入れて器に盛り、しょうがのすりおろしを添える。
●シンプル雑穀ご飯
【材料(作りやすい分量)】
米2合、もちきび・麦・ひえなどの雑穀(雑穀ミックスでもよい)合わせて1/3合
【作り方】
1.米をといでざるに上げる。雑穀は目の細かい網に入れて水を張ったボウルに浸し、水を何度か替えて洗う。
2.1を炊飯器に入れ、2.5合分の水加減で炊く。炊き上がったらしゃもじでさっくりと天地を返し、空気を含ませる。
*雑穀ミックスを使う場合は、袋の表示に従って炊く。
穀物菜食の週末肌養生ごはん
「肌は内臓の状態を映す鏡のようなもの。肌にトラブルがある時は、内臓も疲れているのです。消化に負担がかからない穀物と野菜中心の食事で、胃腸を休めてみてください。腸内の働きが整うことで体内の循環が良くなり、肌も次第に元気を取り戻しますよ」
とは、菜食料理研究家の野本弥生さん。自身も40代手前の十数年前、多忙を極めた会社員時代に長野県安曇野市のリトリート宿泊施設で穀物菜食と出合い、心身の変化を実感した。
「出されたのは玄米ご飯と、根菜の煮物や漬物。見た目は地味でしたが、ゆっくりと噛んで食べたらおいしくて。少量でも満足感があって、たくさん食べたくならないことも新鮮でした」
何より翌日の、体が軽くなって思考がクリアになる感覚に驚いたという。
「以来、休みが取れると安曇野に通うという生活に。仕事に忙殺されてストレスが溜まっていた頃は肌の状態も悪くて、鏡に映る老けた自分にぎょっとしたこともありましたが、気づけばそんな悩みもなくなっていました」
やがて、退職を機にリトリート宿泊施設のスタッフとして働くことに。厨房の要として、味わいも見た目も楽しいメニューを提案し、利用者から厚い信頼を得るようになる。現在は独立し、移住した安曇野を中心に全国各地でリトリートや料理教室を開き、穀物菜食の魅力を伝えている。
野本さんの考え方はシンプルだ。
「まずは腸を元気にすることが大事。根菜や海藻、発酵食品を摂りながら、お腹が温まる汁物を。本当に疲れているときは無理に食べず、お吸い物や葛湯だけで胃腸を労るのも一案です」
今回、肌の悩み別に提案してもらったメニューはどれも滋味深く、体にしみるおいしさだ。
「忙しい人ほど自分のことは後回しにしがち。時間のある週末に、心と肌を養生する気持ちでゆったりと作り、楽しんでもらえたらうれしいです」
(肌養生ごはんのコツ)
●基本の調味料は良い素材のものを。
●出汁は昆布+椎茸の水出しで。
●味噌やきのこ、ナッツでうまみと食感をプラス。
野菜の繊細な持ち味を生かすために、調味料は天然素材で作られたものがおすすめ。煮物やスープは水で作っても充分おいしいが、昆布としいたけの出汁を使えばさらに風味がアップ。もの足りなく感じる時は、きのこや味噌、ナッツなどを上手に使ってメリハリをつけるとよい。
『クロワッサン』1088号より