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足のむくみや腰痛など下半身の悩みに。「姿勢の崩れ」を10秒でリセットする「後ろ脚のばし」。

長時間同じ姿勢を続けていると、血行が悪くなり、全身の不調を招く。
そこでたった10秒取り入れるだけで、コリや痛みから解放される簡単リセット法を紹介!
ボディワーカーの藤本靖さんに、筋肉をほぐして整えるアプローチを教わります。

イラストレーション・中島陽子 文・鈴木恵美

股関節のつまりや、脚のむくみやだるさなど、下半身の悩みを解消したいなら、普段あまり使えていない腸腰筋を動かすのが改善への第一歩。これは姿勢のくずれのリセットにもつながる。

「腸腰筋は、体を支える時や足を動かす時に働く重要な筋肉です。しかし、座りっぱなしの生活を続けていると、この腸腰筋が常に収縮し、緊張状態に。すると骨盤が前傾し、反り腰などの悪い姿勢を引き起こし、腰痛の原因になります。
さらに腸腰筋の対となる筋肉が、太ももの裏側にある『ハムストリング』。この筋肉が伸びて緩んだままだと、骨盤が後傾してしまうので、腸腰筋とハムストリングのバランスを良くすれば、美姿勢にリセットでき、痛みやコリを呼ばない体に」

これらの筋肉は、血管や神経、リンパなどが密集する鼠径部についているので、うまく使うと、全身の巡りが良くなり、下半身のむくみも改善される。

腸腰筋とは?

大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称。お腹の深い位置にあり、背骨・腰骨の前側から骨盤の内側、太ももの付け根の内側についている、上半身と下半身をつなぐ大事な筋肉。
大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称。お腹の深い位置にあり、背骨・腰骨の前側から骨盤の内側、太ももの付け根の内側についている、上半身と下半身をつなぐ大事な筋肉。

[基本の動き]腸腰筋とハムストリングを 動かして、美姿勢に導く。

【10秒リセット】

壁や椅子に手をつき、お腹の腸腰筋に手を当てて、片方の脚を後ろにまっすぐ上げる。軽く深呼吸を3回繰り返…

壁や椅子に手をつき、お腹の腸腰筋に手を当てて、片方の脚を後ろにまっすぐ上げる。軽く深呼吸を3回繰り返したら、さらに腸腰筋を縦に長く伸ばすイメージを強く意識しながら、ゆっくりと足を下ろしていく。反対の脚も同様に。

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たった1回で、姿勢が伸びて整う。コアで体を支えられ、立っているのもラクに感じるはず。
たった1回で、姿勢が伸びて整う。コアで体を支えられ、立っているのもラクに感じるはず。

【応用】片脚立ち

壁や椅子に手をつき、手と反対の足を上げる。軸足のかかとで地面をぐっと踏むと、腸腰筋の伸びをより感じら…

壁や椅子に手をつき、手と反対の足を上げる。軸足のかかとで地面をぐっと踏むと、腸腰筋の伸びをより感じられる。反対側も同様に。

本来の機能を取り戻し、動きたくなる体に!

足のむくみや腰痛など下半身の悩みに。「姿勢の崩れ」を10秒でリセットする「後ろ脚のばし」。

何もしていないのに、首や肩が痛んだり、腰痛を覚える人が続出している。コリや痛みは体からのサインとし、それらを10秒で簡単にリセットできる方法をレクチャーしてくれたのはボディワーカーの藤本靖さん。

「テレワークやおうち時間が増えたことで長時間座りっぱなしでいたり、スマホ操作や寝転がってテレビを観るなどの不良姿勢……。現代生活の習慣はどうしても体の歪みを引き起こしやすい。
結果、筋肉が緊張して血管や神経が圧迫され、血行不良を起こし、体内に疲労物質が蓄積してしまいます。
もともと人間は二足歩行の動物で、座りっぱなしなど現代生活に対応できるような構造ではありません。歪んだ体のポジションを正し、機能を取り戻すために今回のリセットを行うと、深層筋がうまく使えるようになり、つまりやコリから解放され、体が自由に動かせるようになります」

今回紹介したのは人間の体がもともと持っている力を呼び起こし、うまく使えるようにするリセット法なので、簡単かつ負担のない動きで効果を実感できる。

「体がもともと持つ機能は歳を重ねても磨き続けられます。仕事や家事の合間にできる動きばかりなので、朝昼晩のスキマ時間に行えば、体も軽くなるはず。お風呂上がりの就寝前に行えば、筋肉の緊張が緩み、自律神経が整うので、眠りの質も変わってきますよ」

  • 藤本 靖

    藤本 靖 さん (ふじもと・やすし)

    ボディワーカー

    東京大学大学院で身体教育学を専攻。ボディワークの国際的な認定資格「ロルフィング(R)」取得。著書に『肩こりには脇もみが効く』(小社刊)など。

『クロワッサン』1086号より

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