食物繊維が不足すると、腸内環境はどのようになってしまう?
腸活の成功を左右する食事。中でも、要になる食物繊維はより効果を発揮する摂り方を知ることが大切に。
日本食物繊維学会理事長の青江誠一郎さんに教わります。
日本食物繊維学会理事長の青江誠一郎さんに教わります。
イラストレーション・ZUCK 構成&文・中條裕子
Q.食物繊維が不足すると、腸内環境はどのようになってしまう?
A.腸内細菌の多様性が失われ、さまざまな病気の引き金に。
「ひどくなると腸内の菌が減少してしまいます。そのまま親から子へ、次の世代に菌が少ない状態で受け継がれてしまう。なので、3世代もするとよい腸内細菌がほとんどいなくなってしまうことも。
そうなると防御システムがなくなり、腸炎やアレルギーを起こすだけでなく、腸でできる毒素が簡単に体に入り、血管や循環器系にも悪い影響が出る場合があります」
腸炎や大腸がん、アレルギーなどを起こしやすくなり、心臓病や脳卒中といった循環器系の死亡率も上げてしまうのだという。
そもそも、腸は口からそのままつながっている、いわば外界。そして砦でもある。そこが崩れれば、外界の悪いものが腸を通じて体内に入ってきてしまうという恐ろしい事態に。
1000種類もいる腸内細菌は好みもそれぞれ。食物繊維の種類を多く摂ると多様な菌が元気になって、腸内環境の多様性も保たれる。ヒトの健康と食物繊維の摂り方は直結しているのだ。
『クロワッサン』1085号より