東洋医学では人間の体には「気」「血」「津」という3つの構成要素があります。そして、人間の全身に張り巡らされた「経絡(けいらく)」というルートには、気と血が結びついた「気血」と呼ばれる生命エネルギーが通っており、そのバランスの乱れが体調不良を招くと考えられています。
全身に14本ある経絡の上には、約650以上の気血の出入口が点在しています。この出入口こそが、いわゆる「ツボ」です。
ツボを刺激することで気血の流れを整え、血行をよくして体調不良を改善させるツボ療法は、決して時代遅れの民間療法ではありません。なんと世界保健機関(WHO)もその効果を認めているのです。そのため、関係するツボを刺激することで、腰痛の予防や改善が期待できます。
東洋医学では、気力や体力が低下している状態を「虚」、発熱や緊張している状態を「実」、虚でも実でもない正常な状態を「中庸」と呼んでおり、腰痛は主に「腎虚」、「肝虚」、「脾虚」が要因と考えられています。
なお、腎虚、肝虚、脾虚は腎臓、肝臓、脾臓の機能が低下しているという意味ではありません。使われている漢字のせいで、つい西洋医学の臓器(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)と混同してしまいますが、東洋医学では人間の体の働きを「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分類して「五臓」と呼んでおり、例えば腎虚は五臓の腎の働きが低下しているのです。
それでは、腎虚、肝虚、脾虚を中庸に整えるのに効果的なツボを紹介します。