「腰を左右に曲げると痛くなる」におすすめの腰痛ストレッチング。
撮影・黒川ひろみ モデル・くらさわかずえ スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・宮島香奈子 イラストレーション・松元まり子 文・山下孝子
上半身と下半身の逆ひねり
このストレッチングによって、上半身をねじったり、左右に傾けたりするときに使う腹斜筋を伸ばすことができます。この筋肉が硬くなると、足の動きを上半身にうまく連絡できずに腰の負担が増加するので、念入りに伸ばしてあげましょう。
(STEP 1)
仰向けに寝た状態で両膝を立て、両手を広げて床につけたら、両足をそろえたままゆっくりと片側に倒し、同時に顔を膝とは逆方向に向ける。両足を無理のない位置まで倒したら、その姿勢を30秒キープする。
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(STEP 2)
ゆっくりと両足の位置を戻したら、反対側も同じようにする。
(このストレッチングに慣れたら)
両足をそろえて倒す動作に慣れたら、今度は片方の足は伸ばした状態で、もう片方の足だけ立てて倒すようにしましょう。両足の時よりも足を深く倒せるため、腹斜筋に負荷をかけることができます。
(Point)
背中をぴったりと床につけるように仰向けに寝て、手と足がそれぞれ逆方向に引っ張られているように全身を伸ばし、その状態を30秒キープする。
安静にしすぎて腰痛を悪化させない!腰痛ストレッチング
腰痛の予防・改善には、筋肉を鍛えるだけでなく、筋肉をやわらかくすることも大切になってきます。なぜなら、筋肉が硬くなってしまうと体を動かしづらくなるからです。
そこで、腰痛体操を教えていただいた理学療法士の田中尚喜さんの指導で、筋力トレーニングの効果と、ゆっくりと引き伸ばすことで血行をよくして、緊張した筋肉をほぐしてあげるストレッチの効果を併せ持つ「ストレッチング」も紹介。
腰痛を予防・改善するストレッチングで鍛えるのは、太ももの裏についているハムストリング、太ももの前面についている大腿直筋(だいたいちょくきん)と腸腰筋(ちょうようきん)、お尻についている大臀筋(だいでんきん)、背中から腰にかけてついている背筋と広背筋(こうはいきん)、脇腹にある腹斜筋(ふくしゃきん)の7種類の筋肉です。
ストレッチングは筋肉の動きなどから、紹介する順番に実施するのが理想的ですが、時間や場所と相談して、できるものから行っても大丈夫です。
最低でも1日1回実施することは、筋肉をほぐすだけでなく、ストレスの解消にも役立つはずです。
ただし、脊柱管狭窄症などの骨や椎間板の病気が原因の腰痛は、患部の状態によってNGの姿勢や体勢もありますので、治療中の場合は、紹介するストレッチングを実施しても問題ないか、必ず医師に相談するようにしましょう。
【ストレッチングの10個のルール】
(1)腰の痛みがひどいとき(急性期)にはしない。
(2)やわらかすぎる布団の上ではしない。適度に硬いマットや畳の上でする。
(3)1つの動きに30秒ほどかけて、弾みをつけずにゆっくりと筋肉を伸ばす。
(4)ストレッチングで伸ばす筋肉を意識する。
(5)「気持ちがいい」くらいに伸ばし、痛くなるまで伸ばさない。
(6)曲がらないからといって、他人に押してもらわない。
(7)息を止めると血圧が上昇するので、自然な呼吸を心がける。
(8)入浴後など体が温まっている時に行うと、効果が上がる。
(9)最低でも1日1回は行い、慣れれば腰痛体操よりストレッチングの回数を増やしてよい。
(10)1日何回でもよいので、気がついたときに行う。
『Dr.クロワッサン 脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、ぎっくり腰もスッキリ! 腰痛の新常識』(2020年8月27日発行)より。