からだ

「こむら返り」を予防する運動とマッサージ。

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮することで起こります。さまざまな要因がありますが、ふくらはぎの筋肉が硬いほど、こむら返りのリスクが高まります。
そこで、ふくらはぎの筋肉をやわらかくするための運動とマッサージを紹介します。
  • 撮影・黒川ひろみ  モデル・くらさわかずえ  スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・宮島香奈子  文・山下孝子  イラスト・宇和島太郎

予防法 (1)

まずは階段の一番下の段に足を半分かけて立ち、安全のために手すりをしっかりと握ります。
次に、体が後ろに倒れないように注意しながら、かかとをゆっくりと下げていきましょう。
無理のない位置までかかとを下げたら、その姿勢を30秒キープし、ゆっくりとかかとを上げます。
こうすることで、ふくらはぎについている腓腹筋(こむら返りの原因となる筋肉)をじっくりと伸ばすことができます。

こむら返りの「こむら」とは、ふくらはぎの古い呼び方です。ふくらはぎの内側と外側についている腓腹筋の下層には、ヒラメ筋という筋肉がついていますが、このヒラメ筋もけいれんしやすいため、こむら返りも起きやすいのです。

予防法(2)

うつ伏せに寝転がり、丸めたバスタオルをすねの下に置いたら、膝から下をバタバタと上下させ、すねの部分を丸めたバスタオルにあてましょう。
こうすることですねの部分の血行がよくなり、すねの部分についている前脛骨筋をやわらかくすることができます。
この筋肉はふくらはぎの筋肉とは逆の動きを担当しており、前脛骨筋がつってしまうと、ふくらはぎの筋肉にも悪影響を及ぼします。
毎日1分ほどのバタ足運動で、前脛骨筋がつるのを予防しましょう。

●バタ足運動で、すねの筋肉を刺激

予防法 (3)

高齢者、特に女性は筋肉量が減っているせいでふくらはぎが冷えやすく、そのせいでこむら返りも起きやすくなります。
そのため、ふくらはぎをリンパの流れに沿って下から上にもみほぐすことで、血行をよくしてあげましょう。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれており、心臓から送り出されて全身を巡る血液を、心臓に送り返す働きをもっていますので、ふくらはぎをもむことは、結果的に全身の血行にもよい影響を与えます。

●リンパの流れに沿って下から上にふくらはぎをもみほぐす!

伊藤晴夫

監修

伊藤晴夫 さん (いとう・はるお)

整形外科医

メディカルガーデン整形外科院長。JCHO東京新宿メディカルセンター(旧東京厚生年金病院)元副院長・整形外科部長。岐阜大学医学部卒業。腰痛疾患や股関節疾患の臨床に長年携わり、一流アスリートの治療にもあたっている。『腰痛の運動・生活ガイド』(日本医事新報社)、『腰痛をすっきり治すコツがわかる本』(永岡書店)など、腰痛関連の著書・監修書多数。

※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、ぎっくり腰もスッキリ! 腰痛の新常識』(2020年8月27日発行)より。

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