料理家、樋口直哉さんと減塩実験。最低限の塩分で料理をおいしくするには?
論理的で明快な語り口で人気の料理家・樋口直哉さん。減塩のコツと工夫を聞きました。
撮影・青木和義 文・斎藤理子
これだけ食べても 塩分約2g! 樋口直哉さんと、減塩実験。
うま味やコクを活かせば、最低限の塩分量でもおいしい料理に。
なんとなく使ってしまうことが多い塩。減らしたいのなら、分量をきちんと量るのが大事、と樋口直哉さん。
「家族の人数が多かった時代には、料理を作る量も多かったので、小さじ1杯という単位が一般的でした。でも今は、作る量自体が減っているので、小さじ1/8と1/4の計量スプーンは必需品。塩分量は習慣なので、きちんと量って可視化し、量を意識することが減塩の第一歩です」
その上で、献立にメリハリをつけて、塩をきかせるところにはきちんと使うのが、減塩を長く続けるコツだという。メイン料理はしっかりした味付けで、副菜は薄味に。そうやってバランスを取ることで、おいしく食べつつ塩分量を減らしていける。
「塩を減らすには、出汁のうま味を利用するのが一番。炊き込みご飯を出汁で炊けば、最低限の塩分量でもとてもおいしくできるんです。味噌汁も同様。山椒の刺激やぬめりのある食材も、物足りなさを軽減してくれます」