不定愁訴のつらい症状を改善するには、どんな方法がある?
産科医の小川真理子さんに聞きました。
イラストレーション・松栄舞子 文・南雲つぐみ
つらい症状を改善するには、どんな方法がある?
痛みや精神的な不調の強いときには、医師と相談して痛み止めや軽い抗うつ薬の処方を受けることが効果的な場合もある。
ただ、そうした対症療法だけでなく、ストレスや疲労を和らげて根本にある自律神経のバランスを整える対策を知っておくと、これから先の健康管理にもきっと役に立つはず。
「よく言われるのは、ストレスをためないようにということ。でも、自分でストレスだと気づいていない場合も多いのでなかなか難しいですよね。ヨガやマインドフルネスなど、ストレスの元になる日常の雑事から解放される時間を持つことをおすすめします」
イライラや体の痛みが強いときは交感神経が亢進し、体は興奮状態に。ヨガなどのリラクゼーションを行ってゆったりした呼吸で体の緊張をほぐすと、副交感神経の働きが活発になりバランスがよくなっていく。
また、女性の不調に合わせた処方が多いのが、漢方薬。
「漢方薬はいくつもの生薬が組み合わされていて、それぞれが体の中で別の働きをします。そのため、いろいろな症状が同時に起きる不定愁訴とは相性がいいといえます」
体調が悪いとつい食事もいいかげんになりがちだが、そんなときだからこそ体を作るもとになるたんぱく質はしっかり摂りたい。
「食事からアミノ酸や鉄分を摂ることで貧血改善になり、睡眠の質の向上にもつながります」と小川さんも念を押す。そして、日中は少しでも体を動かすと夜も眠れるようになり、心と体のバランスも整ってくる。
おすすめの運動は、ウォーキング。
運動習慣のない人は負荷の少ない、ウォーキングなどがおすすめとのこと。無理のない範囲で、楽しみながら長く続けることが大切。
ゆらぎ期に現れる心身の変化に。
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※大製薬調べ
不定愁訴によく使われる漢方
【婦人科三大処方】
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
むくみ
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
更年期障害全般、月経前の精神症状
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
冷え・のぼせ、頭痛、肩こり
◆冷え
四物湯(しもつとう)
温経湯(うんけいとう)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)(しもやけ)
◆めまい
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
◆肩こり
葛根湯(かっこんとう)
◆むくみ
五苓散(ごれいさん)
四苓湯(しれいとう)
◆胃の調子
六君子湯(りっくんしとう)
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)(ストレス)
◆イライラ
抑肝散(よくかんさん)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
◆気持ちの落ち込み
加味帰脾湯(かみきひとう)(うつ)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)(のどのつかえ)
『クロワッサン』1070号より