全身のだるさ、ホットフラッシュ、めまい、耳鳴り、胃もたれ、吐き気、動悸、不安感やイライラ、などなど。
「不定愁訴」は、こんな症状が体のあちこちに現れる。
「朝は調子がいいけど、夕方はつらい」とか「昨日は頭痛だったけど、今日は背中の張りがひどい」と、症状が日々入れ替わったりすることも。そこで、各診療科で胃カメラやX線、CT、心電図などの検査を受けても、異常が見つからない……。
「それが不定愁訴の特徴です。患者さんに『何が一番つらいですか?』と聞いても、いろいろな症状が日替わりで出現するため、自分でもうまく説明できないのです。
検査をしても結果に異常がないので診断名がつかず、正体がわからないことでよけいに不安が強くなり、それがまた症状に影響することもあります」と、東京歯科大学市川総合病院産婦人科の小川真里子さん。
不定愁訴は、更年期障害とは違うものなのだろうか?
「重なるところも多いものの、不定愁訴は女性ホルモン(エストロゲン)の変化に由来していないものも含みます。そのため、まだ更年期とはいえない世代や更年期後の年齢でも起こることが」
たとえば、婦人科を受診し、「まだ更年期には入っていませんよ」と言われ、「では、なぜこの症状が起きているの?」と困ったら、不定愁訴と考えることができるのだという。