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ショウガオールで免疫力も血行も改善、生姜の体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。
  • 野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

(根を食べる)生姜

Ginger[ ショウガ科 ショウガ属 ]

【ショウガオール】で体を【温め】、【免疫力】も【血行】も改善。

【栄養豊富な旬の時期】通年
根生姜は貯蔵できるので通年流通。5~8月の新生姜はやわらかく、酢漬けなどに向く。

【体に効く選び方】丸くて硬いもの
ふっくらとして形がよく、硬いものが良質。皮にはりがあって乾燥し過ぎていないことや、変色や傷がないことも重要。でこぼこが少ないほうが皮がむきやすい。

【体に効く食べ方】加熱してたっぷり
ジンゲロールは発汗を促す成分で、加熱するとショウガオールに変わって体を芯から温める。たっぷり食べるなら加熱調理、少量なら薬味にしたり、温かい飲み物に入れても。

【栄養を守る保存方法】乾燥を防ぐのが重要
濡らしたキッチンペーパーで包んで保存容器に入れ、冷蔵室で保存。買ってきたらすぐにせん切りや、すりおろしにして冷凍してもいい。

【重さの目安 1片で約10g】

[注目成分]
ジンゲロール
ショウガオール
カリウム
カルシウム
マグネシウム

[エネルギー]
30kcal/100g

[食物繊維]
2.1kcal/100g

(Topics 1)はじかみは新生姜のおいしさを楽しむ

新生姜の季節になると、茎がついた生姜が出回る。辛味が少なくて香りがよく、生食に向くので味噌などをつけて食べる。酢につけた「はじかみ」は焼き魚などに添えることも多く、矢生姜の文字はその形から。魚のニオイ消しや味わいアップに効果的。

(Topics 2)酢につけて保存性を増し、殺菌や健康効果も

寿司店でおなじみのガリは、新生姜を薄くスライスし、甘酢に漬けたもの。魚のニオイを抑えたり、殺菌効果をプラスする働きがある。採れたての生姜の香りや成分を大事にした日本ならではの食文化。手作りしておくと、一年中楽しめる保存食。

ショウガオールには血行促進、殺菌効果。

最も注目されているのは血管を拡張して血流をよくし、血行不良による冷えや代謝の低下、細胞の栄養不足を解消する点です。

生の生姜のピリッと辛い成分がジンゲロール、加熱や乾燥で分解されて生まれるのがショウガオールで、いずれも脳が辛味を熱と感じるため、血管を広げて血流を上げる効果があります。

ジンゲロールは体を冷やし、ショウガオールは体を温めるといわれていますが、ジンゲロールのほうが一気に血管を拡張して、末梢から体温を放散するため、その後に冷えるというメカニズムで、薬味に使ったり、お茶に加えたりする程度では体温を奪われるほどの変化はないので、特に気にする必要はありません。

血行がよくなり、末端まで血液が行き渡ると細胞が活性化し、代謝が改善されるのでエネルギー消費が増えるという効用もあります。

殺菌効果が高く、食中毒の予防にも役立ちます。昔から薬味として重用されたのはこのためです。

熱を通した生姜をたっぷり食べて血流改善に役立てる。

生姜はソースにすると抜群のおいしさと健康効果を発揮。たっぷり食べられるのが魅力です。「かじきまぐろ」や「かつお」、「さわら」など多くの魚に応用できます。まとめて作っておくと便利なのが佃煮などの常備菜、炊き込みご飯など、多方面に活躍します。

たらのソテー 生姜バターソース

【材料(2人分)】
生たら …… 2切れ
生姜 …… 1片(20g)
塩 …… 小さじ1/6
胡椒 …… 少々
小麦粉 …… 適量
オリーブ油 …… 小さじ1と1/2
バター …… 大さじ2
A  白ワイン …… 小さじ2
  塩、胡椒 …… 各少々
  醤油 …… 小さじ1/3

【作り方】
1.
たらは塩、胡椒を振って少しおき、小麦粉を全体に薄くまぶす。生姜はせん切りにする。
2.フライパンにオリーブ油を熱して、たらを弱めの中火でこんがりと焼く。
3.2のフライパンをさっとふき、バターを溶かして生姜を炒め、Aを加えて生姜バターソースを作り、2にかける。

生姜の佃煮

日持ち 冷蔵室で1週間ほど

\ご飯に混ぜてもいい、みじん切りの佃煮!/

【材料(2人分)】
生姜 …… 100g
A  だし …… 1/4カップ
  醤油 …… 大さじ1と1/2
  みりん …… 大さじ1
  砂糖 …… 小さじ1

【作り方】
1.
生姜は粗みじんに切る。
2.鍋にAを入れて煮立て、生姜を加えて煮立ったら弱火にし、ときどき混ぜながら汁気がなくなるまで煮る。

※このまま箸休めにするだけでなく、炊き込みご飯などに活用できる、便利な作りおき。

名取貴光

名取貴光 さん

食品成分研究者 医科学博士

山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

岩﨑啓子

岩﨑啓子 さん

管理栄養士 料理家

聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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