β-カロテン、ビタミンACEの力で酸化を防ぐかぼちゃ。体に効かせる食べ方や選び方。
野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理
(実を食べる)かぼちゃ [ ウリ科 カボチャ属 ]
【β-カロテン】と 【ビタミンACE】の力で 【酸化】を防ぐ。
【栄養豊富な旬の時期】7〜9月(冬まで貯蔵できる)
旬の夏に収穫したものが冬まで流通するため、冬季のビタミン補給にも活用されてきた。
【体に効く選び方】重くてへたが乾燥している
重量感があるもの。濃い緑色で皮につやがあり、へたが乾燥しているものがよく熟している。カットしてあるものは種がみっちりと入り、果肉の黄色が濃いほうがいい。
【体に効く食べ方】わたも取り過ぎないで
β-カロテンは油に溶け出すので、油と一緒に摂るのがおすすめ。煮物にするなら薄味にし、汁まで食べたい。わたにも食物繊維やビタミンが多いので適度に取り除くのがコツ。
【栄養を守る保存方法】まるごとなら常温でもOK
かぼちゃは貯蔵のきく野菜なので、まるごとなら常温で保存しても大丈夫。切ったものはラップなどで水分の蒸発を防ぎ、野菜室へ。
【重さの目安 1個約1.4kg】
[注目成分]
β-カロテン
ビタミンE
ビタミンC
カリウム
食物繊維
ビタミンB1
ビタミンB2
鉄
[エネルギー]
91kcal/100g
[食物繊維]
3.5g/100g
(西洋かぼちゃの場合)
(Topics 1)縦に筋が入った日本かぼちゃと身近な西洋かぼちゃ
昔は下の写真のような縦に筋が入った日本かぼちゃが多く作られていたが、最近スーパーで見かけるのはでこぼこが少なく大型で丸い西洋かぼちゃ。栄養素の量は西洋かぼちゃのほうが多い。
(Topics 2)かぼちゃの仲間いろいろ!
一般的なかぼちゃのほかに、小型で形もさまざまなペポかぼちゃと呼ばれる仲間も出回っている。ズッキーニはきゅうりのような形だが、ペポかぼちゃの仲間。生食できるものも。いずれも色が濃いものほどカロテンやビタミンEなどが多い。
抗酸化成分β-カロテン、ビタミンC、Eも豊富。
かぼちゃの独特の黄色は体内でビタミンAに変わるβ-カロテンという抗酸化効果の高い色素成分。美肌効果や免疫力アップ効果の高いビタミンC、老化防止、血流改善、代謝促進効果のあるビタミンEも多く、この3つを一緒に摂ると相乗効果が得られることから、ビタミンACE(エース)と呼ばれるほど、バランスがよく体にいい緑黄色野菜として注目されています。皮膚や粘膜を守り、視力の改善にも有効で、加齢に伴う不調も防ぐ野菜です。
β-カロテンは水に溶けにくく、油となじみがいいので、煮物、揚げ物、焼き物など、どんな料理にも向いています。オリーブ油や、肉、乳製品などの脂質とも好相性です。スープや汁物にすれば、水に溶ける成分も余すところなく食べることができます。
皮には特に色素が豊富なので皮付きのまま食べたい。わたの部分には不溶性食物繊維がたっぷりあるので、スプーンなどでこそげたりせず、種だけ取るのがおすすめ。
皮もわたも栄養豊富だから、ムダなく食べたい野菜です。
かぼちゃは煮物や天ぷら、サラダなど幅広く活用できる野菜です。下ゆですることも多いのですが、栄養素を守るためにはゆでずに調理したい。油と一緒に食べると成分を有効に摂れるので、煮るより炒めたり揚げたりするのがおすすめ。肉や乳脂肪との相性も抜群です。
レンジかぼちゃのカレーソース
【材料(2人分)】
かぼちゃ(種をとって)…… 280g
合いびき肉 …… 100g
たまねぎ …… 1/6個(30g)
生姜 …… 1/2片
バター …… 小さじ2
小麦粉…… 小さじ1と1/2
カレー粉 …… 小さじ1と1/2
トマトケチャップ …… 小さじ1
醤油 …… 小さじ1/2
塩、胡椒 …… 各少々
【作り方】
1.かぼちゃは種をとって半分に切り、ラップに包んで電子レンジで4分ほど加熱して中まで火を通し、大きめのくし形に切って皿に盛る。
2.たまねぎ、生姜はみじん切りにする。
3.フライパンにバターを溶かして 2を炒め、ひき肉を加えてさらに炒め、小麦粉、カレー粉を加えて炒め合わせ、水1/3カップ、ケチャップ、醤油を加えて煮立てる。塩、胡椒で調味し、かぼちゃにかける。
クリームチーズマッシュかぼちゃ
\乳製品と組み合わせ、栄養も味もアップ。/
【材料(作りやすい量)】
かぼちゃ(種をとって)…… 200g
クリームチーズ …… 40g
塩、胡椒 …… 各少々
【作り方】
1.かぼちゃは種をとって半分に切り、ラップに包んで電子レンジで3分加熱し、熱いうちにつぶして冷ます。
2.室温においてやわらかくしたクリームチーズ、塩、胡椒を加えてなめらかに混ぜる。
※ディップとしてパンなどにつけて食べるといい。
『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。