お酒は百薬の長だからーー。お酒が好きな人にとって最後の砦だったこの言葉が近年はゆらぎはじめているのだという。肝臓専門医の浅部伸一さんによると、
「少し前の疫学調査では、確かに少量飲む人は飲まない人よりもある範囲では死亡率が下がる、という報告があったのですが、最近はいろいろな調査が盛んに行われるようになり、そうとも言えないよね、という考え方が主流になってきています」
とりわけ顕著なのはがんで、飲酒量が増えれば増えるほど、リスクは明らかに上がるらしい。
「かつてはタバコをターゲットにしていたWHO(世界保健機関)も近年はお酒を減らすよう勧めています。これは私の推測ですが、長生きをするようになって、お酒の害がより見えやすくなったのではないか」
にわかに雲行きが怪しくなってきたお酒だが、では、どう向き合うべき? そのヒントを探っていこう。