「現代人の多くは深い呼吸ができていないんです」と森田敦史さんは言う。
「息を吸ったときに体幹部分が風船のように膨らみ、吐くとしぼむのが正しい深呼吸です。膨らむ力としぼむ力によって、体の中心から手や足先まで血液、リンパ、体液がめぐります。全身が活性化することで、肩こりや腰痛、生理痛、冷え性、更年期などのあらゆる症状が徐々に改善していくんです」
肩と首のこりが慢性化しているというイラストレーターの大田垣晴子さんに、「こりなどの不調が起きるのは浅呼吸(せんこきゅう)になっているからでしょう。原因は体の力みや緊張。例えば背中をピンと張った、いわゆる美姿勢はNG。背中が硬直すると浅呼吸になりやすいので、背中は少し丸くしているほうがいいです」と森田さん。日常生活の中でも、歯磨きや掃除に集中しているときは、無意識に呼吸が浅くなっているという。
「マスクをしているときも浅呼吸になりやすいです。苦しさを感じたときには〈許可の呼吸法〉を。自然に深い呼吸に導かれて楽になります」