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少し前、話題になったミレーナって何ですか。私も使えますか。【89歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 図・坂本康子 構成・越川典子

Q. 少し前、話題になったミレーナって何ですか。私も使えますか。

あるタレントさんが、「ミレーナを使って、生理がラクになりました」とネットにあげて話題になっていたことを知りました。

私も若いときから月経痛が重く、量も多かったのですが、治療することもなく、40代になってしまいました。

経血の量は減ってきてはいるのですが、使えるなら私も試してみたいのです。どの婦人科でも処方してもらえるのでしょうか。疲れやすい、イライラなど更年期症状も出てきています。(Y・Eさん 42歳・主婦)

A. もちろん、使えます。婦人科で診察・検査をしてもらいましょう。

Y・Eさん、ご質問、ありがとうございます。ネット情報は玉石混交です。自分に合うかどうか多方面から調べる姿勢、すばらしいです。

さて、ミレーナですが、これは合成黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを子宮内で放出する、子宮内避妊システムのこと。避妊薬として、日本でも2007年に承認されています。手のひらにのるサイズで、子宮内に装着して使うため、婦人科の診察や検査が必要です。いったん装着すれば、5年間、そのまま使用できます。ピルのように飲み忘れがなく、避妊に失敗しにくいのです。

また、黄体ホルモンの影響が子宮内にとどまって全身に及ばないので、ピルが使いにくい40代の女性や、喫煙家、肥満、高血圧など、血栓リスクのある女性も使いやすいことがメリットです。

過多月経、月経困難症に効果があるということで、2014年には治療薬として承認されました。SNSで発信したタレントさんは、月経が重かったようですね。デメリットとしては、自然脱出などが数%くらいあること。子宮筋腫の種類や、子宮口の狭さなどで装着ができないケースもあることくらいでしょう。

子宮内のミレーナのイメージ図

黄体ホルモンは、子宮内だけに作用するので、全身に影響がないのが特徴。やわらかいプラスチック製で、3cmほどのT字形をしている。5年以内に交換をする。

(A)子宮内に黄体ホルモンを放出し続けるので、受精卵の着床を防ぐ。
(B)子宮の入り口でも、精子が侵入しないように防ぐ。

Y・Eさんのように、まだ月経があり、妊娠の可能性がある方には、もちろん有効です。
もし更年期の症状が出始めて、ホルモン補充療法(HRT)をスタートさせる場合でも、子宮内ですでに黄体ホルモンを放出させているわけですから、エストロゲンだけの補充でOKです。

ただし、更年期障害への保険適用はありませんので、自費となります。どの婦人科でも……とのご質問ですが、ミレーナを使わない医師もいると思います。
ホームページをチェックしたり、電話で問い合わせたり、Y・Eさんの年齢からも、更年期の治療経験も豊富なクリニックを探しましょう。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

情報をキャッチして調べることは自分を守ること。(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1054号より

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