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巡りの大事なポイントである、足。健康寿命を延ばすケアとは? 専門医に聞いた。

加齢とともにトラブルが増える足。元気に生きる上で大切な歩行を支える、足のセルフケアを専門医に聞いた。
  • 撮影・青木和義 モデル・Asami スタイリング・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) 文・長谷川未緒

「年齢を重ねても足の健康を保ち、キビキビと歩ける人は、がんや心疾患、糖尿病や認知症などにかかりにくいというデータがあります」と語るのは、国内唯一の足の総合病院「下北沢病院」理事長の久道勝也さん。

歩くことは心肺機能や免疫力を高め、脂肪を減らし、血の巡りをよくするなどいいことずくめ。こま切れでもいいので一日に合計20〜30分、大股で早歩きが理想だ。ただしトラブルのある足で歩くと、悪化することもあるため注意が必要。

「歩き始める前に、足の健康度をはかるチェックリストで確認を。長く歩ける足を作るセルフケアも紹介しますので、ぜひ日課にしてください」

正しい立ち方、歩き方とは。

足腰に負担をかけずにキビキビ歩くには、まずは正しく立つこと。正しい姿勢で立てたら、フォームを意識して歩く。小股で歩くより、大股でスタスタと。時速4.8km(1分/80m)、身長(cm)×0.45がスピードと歩幅の目安。

トップス1万2100円、ショートパンツレギンス1万3750円(共にチャコット・バランス/チャコット〈お客様相談室〉TEL.0120・155・653)

かかとから着地し、足裏全体を地面につける。体重を移動させながらすねを前に倒し、最後は足指でしっかり蹴り出そう。腕は後ろに振ることを意識して。

◯ OK

まっすぐ前を向き、両肩を平行に。真横から見たときに耳、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線上にあるように。胸をはったり反り腰にならないよう注意する。

× NG

腹筋や背筋が衰えると、正しい姿勢が保てなくなり、猫背気味に。首や腰などに負担がかかり、前のめりになって転びやすくなるなど、歩行の妨げになる。

足にトラブルがあっては歩けない! チェックリストで足の状態を確認。

筋肉量や皮膚、血管をはじめ、体のさまざまな部位には50歳くらいを境に加齢による変化が。足も同様で、いわば〝耐用年数〟は50年ほど。長く元気に歩くためには、トラブルを早めに発見し、メンテナンスしたい。次のチェックリストに従い、入浴時などに両足をよく見てみよう。ひどい場合は、専門医の受診も考慮して。

チェックリスト

□ 足の状態に左右差がある。

□ 足裏にタコや魚の目がある。

□ 爪に変形がある。

□ 血流を感じない部分がある。

□ 脚のむくみがある。

□ 膝裏にもやもやした血管が見える。

□ 普段の靴が合っていない。

□ 靴底の減りが不均等。

足に左右差がないか、甲から 足裏、指、爪まで見比べて。

足の形や皮膚の色に大きな違いがないか、外反母趾や、タコ、魚の目、巻き爪、水虫などの有無も確認を。足の甲や内くるぶしに手を当て拍動を確かめ、血流も感じてみよう。

ふくらはぎが働いているか、 むくみの有無で点検を。

脚の血液は重力に逆らい心臓に戻る。ふくらはぎの筋肉がポンプ役になるが、機能しないと血液が停滞してむくむことに。皮膚を押してすぐ戻らないときは、むくんでいる証拠だ。

多くの人に起きているのに気づきにくい下肢静脈瘤。

脚の血液が心臓に戻りにくくなると静脈圧が高くなり、皮膚に近い静脈が浮き上がるように。膝裏に蜘蛛の巣状の血管が見えだしたら、弾性ストッキングを穿くなどの対策を。

トラブルの大本は靴選び? 足に合っているか、チェック。

ショートブーツ2万5850円(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店 TEL.03・3573・4005)

靴は形、足長、足幅、足囲の合ったものを。シューフィッターのいる店などで計測してもらうといい。ヒール靴はパンプスより足全体をホールドするショートブーツがおすすめ。

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