婦人科が専門の漢方薬剤師として活躍してきた堀江昭佳さんがたどり着いた答えは、病名のつかない不定愁訴や婦人科系の不調の原因のほとんどは血流にある、ということ。
「漢方で捉える〝血〟とは、生命を支えるすべての土台。体内の水分を保持し、酸素や栄養を全身に届け、二酸化炭素や老廃物を回収する。体の温かさを保ち、免疫力によって体を守っています。血液は全身を流れる血流となって、この働きを担っているのです」
不調のある女性に共通するのが、血が足りない〝血虚(けっきょ)〟、血を流すエネルギー不足の〝気虚(ききょ)〟、気と血の巡りが停滞する〝気滞・瘀血(きたい・おけつ)〟という、3つの体質。これらはすべて血流不全に関わる。
「体を構成する気(エネルギー)、血、水(血液以外の体液)がバランスよく、滞りなく流れているのが健康な状態と捉えますが(下図)、血の量そのものが不足し、流れが滞ってしまっているのが、女性の心身の健康の根本的問題であることをまずは知ってください」