腹巻と生姜紅茶、小食、運動を続け、冷え知らず。【医師・石原新菜さんの温活術】
撮影・中村ナリコ(石原さん)、黒川ひろみ(静物) イラストレーション・村上テツヤ 構成と文・長谷川未緒
「研修医として多忙を極めていた15年ほど前、今より10kgも太っていて、体調も崩してしまったんです。月経も止まり、父(医師の石原結實(ゆうみ)さん)に相談したところ、『体を温めれば不調は治り、痩せる』というメッセージとともに、腹巻が20枚送られてきました。以来、父の教えに従った生活を続け、病気知らずです」と語るのは、医師で、冷えを改善する方法をさまざまなメディアで紹介している石原新菜さんだ。
夏でも一日じゅう腹巻を巻き、鼠蹊(そけい)部からみぞおちまでしっかりと温め、夜は必ず湯船に浸かる。朝ごはんは人参2本とりんご1個をジューサーに入れて作るジュースのみ。お昼は生姜のすりおろしを加えた具なし味噌汁、夜は玄米、味噌汁、魚に納豆、漬物と、小食でシンプルな食事が基本だ。小腹が空いたら黒砂糖をひとかじりし、生姜のすりおろしやスライスをたっぷり入れた紅茶を飲む。
「夜はビールと焼酎でリラックスするのも日課です。ビールは体を冷やすといわれますが、温活していますし、このくらいは一日働いたご褒美と、自分に許しています」
温活する上で、何より大切にしているのが、運動だ。
毎日のランニングで筋力アップ、血流促進。
「外から温めることも効果がありますが、体温を作り出す働きを担う筋肉量を増やすことが、根本からの冷え改善につながります。基礎代謝がアップし、血流が促進されて末端まで血液が行き渡るので、巡りのいい体へと変わることができますよ」
石原さんは毎日5km走っているが、運動習慣がない人はウォーキングやスクワットなどから始めてみよう。
「患者さんに勧めると、平熱が1度くらい上がる人もいます。習慣にすることが大切なので、たとえばお風呂に入る前にスクワットを30回。半月も続ければ、変化を感じられると思います」
石原さんは、昼間は外に響かない薄手タイプを愛用。広い範囲を包む長め丈。夜はふんわり厚手タイプ。
生姜の辛味成分・ショウガオールは体を温め、免疫力アップも。「熱い紅茶に生姜をたっぷり。甘みが欲しいときは、黒砂糖やはちみつを加えています」
『クロワッサン』1059号より