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ダイエットにはウォーキング、特にメリハリ早歩きがオススメ【クロワッサンライターの身になる話】

クロワッサンのライターがお役立ち情報を発信する連載【身になる話】。執筆した医療・健康本は100冊を超える医療ライターが脂肪燃焼、筋力アップに繋がる早歩きについて解説します。
  • 文・韮澤恵理

運動不足解消、はじめの一歩はウォーキングで!

仕事や家事が忙しくて、特に運動はしてこなかったという人が、ステイホームでさらに動かず、あちこち脂肪がついてきて大変という話をよく聞きます。以前の生活で何気なくやっていた通勤や買物での歩数が馬鹿にならなかったということです。

3kg、いや5kg、10kg増えてしまったという人もちらほら。あまりにも歩かなかったので、平らな歩道でつまずきそうになったという話も笑えません。これ、あきらかな筋力低下。そのままでいると、40代にして転倒骨折という事態にも至りそうです。

なんとかしなくちゃと思っても、そもそもスポーツの習慣がないという人が、いきなり筋トレやランニングは無理。キツくてイヤになるだけでなく、ケガの危険も伴います。まずは散歩やウォーキングから始めるのが吉。

ただ、「ウォーキングでやせるの?」というのはいつも議論を呼ぶところ。歩いても大した効果が上がりそうにないと思う人もいそうです。

ウォーキングでどのくらいエネルギーを消費?

歩くことでどのくらいエネルギーを消費するのか知りたいところ。運動の強度を示す数字METsを頼りに調べてみました。これは、安静に座っている状態を1METsとして計算された活動強度の目安。分速80mくらいの軽いウォーキングなら3.5METs、分速90mくらいの早いウォーキングで4.3METs程度とされています。ちなみにランニングやクロールで8METs。

実際にウォーキングでどのくらいのエネルギーを消費できるのか計算してみましょう。

消費エネルギーは次の式で計算できます。

体重(kg)×METs×運動時間(h)×1.05=消費カロリー(kcal)

つまり、体重50kgの人が軽いウォーキングを30分行うと、

50(kg)×3.5(METs)×0.5(h)×1.05=91.88(kcal)

30分歩いても、消費されるカロリーはクッキー2枚程度。缶ビール1本137kcalにもなりません。

じゃあ、やっぱり歩いてダイエットは無理?……と考えるのは早計。歩くことで筋肉が使われ、基礎代謝が上がるメリットこそが重要です。

ウォーキングでは筋肉はつかないと思われていますが、全く運動をしていなかった人にとってはちょっときついと感じる程度に歩くだけでも筋力アップに役立ちます。慣れてきて、歩いても負荷にならなくなると、それ以上筋力は上がらないというわけです。まずは歩くこと、大切なんです。

せっかくなら効果の上がる早歩き。結果が出せるプチトレ!

散歩程度のゆるゆる歩きでは筋力アップは望めません。意識してスピードアップし、歩幅も広くとって歩くことではじめて筋肉に負荷がかかります。

健康のために1日1万歩を目標に!とよくいわれますが、最近では、この考え方は疑問視されています。歩数や時間ばかりじゃないことがわかってきたためです。

エネルギー消費を高め、さらに燃える体にするには「メリハリ早歩き」がいいと提唱するのが、ダイエット指導で著名な医師の工藤孝文さん。

「早歩きと長時間のウォーキングの違いは、筋肉にかかる負荷。ちょっときつい運動をすると筋肉が傷つき、それを修復する際に、『次に備えてもっと丈夫にしておこう』という体の反応で、少し筋肉が増えるんです。だからゆるゆる長く歩くより、サッサッと早く歩くのが効果的なんですね」と工藤さん。

筋肉には瞬発力を発揮する「速筋」と。持久力を支える「遅筋」があり、それぞれ別の働きをしています。負荷をかけることで筋力アップするのは速筋。対する遅筋は筋量は上がりませんが、鍛えることでエネルギー代謝が向上する筋肉です。

2つの筋肉をバランスよく鍛えられるのが「3分間早歩き」なのだそう。普段のウォーキングスピードで歩く間に、できるだけ歩幅を広くしてスピードアップする早歩きを3分間はさむのです。歩く速度にメリハリをつけることで、速筋と遅筋が効率良く刺激され、筋肉強化とエネルギー消費が交互にできるというわけです。

効果を上げるためには、正しい姿勢で歩くことも大切。猫背はもちろん、胸を張りすぎるのもダメ。良い姿勢を保とうと、腰を反らせすぎる反り腰歩きも危険です。頭のてっぺんを紐で吊り上げられているように重心がまっすぐ通り、腕を自然に振りながら歩きます。後ろの足のつま先で蹴り出し、大きく前に踏み出して、踵から着地して、自然に体重移動をします。

コマ切れの運動でもいい!有酸素運動は20分以上は神話。

以前はダイエット目的に有酸素運動をする場合、20分以上続けて初めて脂肪が燃え始めるといわれていましたが、これも違うことがわかってきています。運動をすれば、すぐに血液中の糖がエネルギーとして使われます。血糖値が下がれば、余分な糖が脂肪になるのを防ぐだけでなく、血糖値が正常になれば、その先は蓄えられた体脂肪が燃え始めます。つまり、ちょこっと運動、短時間ウォーキングでも効果は得られるということです。

このことから、通勤などで10分程度歩くなら、そのうち3分間を早歩きにして速筋と遅筋を共に鍛えるとか、家事や仕事の合間に、3分間サクサク歩きで買い物に行くなど、工夫すればメリハリ早歩きは実現可能。

30分、1時間、まとめてウォーキングタイムをつくろうとすると続かないけれど、暮らしの中で意識して早く歩く時間をつくるだけで、ダイエット効果が上がることを覚えておいてください。

早歩きで増えるホルモンが老化防止や免疫力アップに。

早歩きで得られるメリットは、エネルギー消費が上がることだけではありません。運動すると分泌が増えるDHEAというホルモンは通称「若返りホルモン」とも呼ばれ、動脈硬化や免疫力の低下を抑え、疲れにくく太りにくい体をつくる働きがあります。負荷をかけた筋肉からはインターロイキン6という「やせホルモン」とも呼ばれるホルモンも分泌され、糖質と脂質の代謝を改善してくれます。

歩幅を広く保てば、かかとに軽い衝撃が加わり、小さな骨破壊が起こるため、「骨ホルモン」と呼ばれるオステオカルリンが放出され、新しい骨の再生を助けるだけでなく、血糖値の改善や抗酸化効果などが得られます。

ほかにも成長ホルモンや、幸せホルモンの名を持つセロトニンの量も増え、心身ともにバランスが整う効果もあります。

歩くことは健康の基本。意識して早歩きをする習慣で、今、目の前にある肥満の危機だけでなく、歳をとって筋力低下で歩けなくなる、転んで骨折し、寝たきりになるというトラブルを予防しましょう。

クロワッサン医療ライター

韮澤恵理 (にらさわえり)

健康と食のエディター、ライター。出版社勤務後に独立してフリーに。ダイエット、健康法、エクササイズ、料理などの実用書籍やムックを編集制作している。生活周りの情報収集が趣味。

画像提供:ayakono/イメージマート
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