デビュー当時から変わらないかたせ梨乃さんのプロポーション。その秘密と秘訣。
撮影・岩本慶三 ヘア&メイク・山岸直樹(Rouxda) 文・寺田和代
約9カ月でぴったり3キロ減。人間ドックの先生にも褒められました。
「今朝もひと泳ぎしてきました」と、さっそうと撮影現場に現れたかたせ梨乃さん。すらりとしたスタイル、姿勢の良さ、しなやかな身のこなしからは、60代という実年齢をまったく感じさせない。“3キロ痩せ”というインタビュー趣旨に――。
「ふふふ……。ぴったり! 去年の春、新型コロナの緊急事態宣言が出た頃からの約9カ月で、ちょうど3キロ落ちたところです。それもダイエットしようとしてではなく日常生活の中で自然と。
毎年受けている人間ドックのドクターにも褒められました。1年前より3キロ減量し、血中コレステロールや中性脂肪などの値も、もともと問題はなかったものの、前年よりさらによくなっている、と」
特別なことは何もしない。秘訣は、運動・食事・生活習慣の3つを無理なく、楽しく総合的に続けるという、健康ダイエットの王道に改めて立ち返らせてくれるもの。
「まず体を動かすことが若い頃から苦ではなく、過去のどの時代もなにかしら運動してきたことは、体形や健康を維持する上で役立っていると思います。今は水泳とウォーキング、毎日どちらかは必ず欠かしません」
「 20代で出合った水泳の楽しさ。 60代の今も暮らしの一部です。」
30分の水泳と水中ウォーキング後、お風呂で必ず体を温めるのがコツ。
水泳歴は40年以上。20代から続け、今ではすっかり生活の一部だそう。
「私の人生において水泳に出合えて習慣にでき、60代になった今も続けられていることはすごくよかった。実は20歳すぎまでまったく泳げませんでした。映画の仕事で泳ぐシーンがあり、必要に迫られて覚えたのが最初。顔が水につけられなかったからまず背泳を。
その後、ほかの泳法もマスターしましたが今も続けるのは主に背泳。肩甲骨周りを動かすから肩こり解消になるし、五十肩もこれで治したくらい」
泳ぐのは30分程度。
「会員になっているジムのプールが早朝から夜まで利用できて助かっています。朝でしたら、6時半に起きて7時半にはプールへ。コーチについてタイムを競う泳ぎ方ではなく、速さも距離も関係なく一人でゆるゆると背泳。心身ともにリラックスします。水中ウォーキングと組み合わせ、長くても30分程度プールで過ごしたあと、ジムのお風呂でゆっくり体を温めます」
プールにいる時間が短めなのは、それ以上水中にいると冷えが気になるし、疲れすぎないことが大切だから。
「健康と美容をトータルで考えれば、体を冷やさないことが最優先。冷えると心も体も緊張して代謝が下がります。緊急事態宣言でジムに行けなかった時期は、自宅のお風呂に日に2度も3度も入って体を温めていました」
体を温める工夫は食事や飲み物でも。
「プールの前はもちろん、外出前には必ず温かなものを口にします。いま気に入っている飲み物は蜂蜜入りのホットミルクや、白湯に梅干しを一つ入れたもの。梅干しのクエン酸で、白湯がすごく飲みやすくなるんです」
食事面では、季節に関係なく温かい麺を作って食べることが多い。
「夜は炭水化物を避ける分、朝か昼にこの食事で摂る感じ。体の内と外から冷やさないようにすることが、結果的に太りにくい体の維持につながっているのかも」
水泳に加え、毎日、意識的な入浴や食事を続けることで、体調のチェックが自然にできるという。
「プールに入った瞬間、普段より体が重かったり、ヒヤッと感じる時があって、そんな時は無理をせず5分で上がることも。あとで血圧を測ると案の定低くて、あ、体って頭で認識する以上に正直だと。ほぼ毎日、水に入るからこそわかるんです。
食事も同じ。加工されたものや化学調味料で味付けされた料理は、食後にジトッとしたイヤな汗が出て。毎日、汗をかくからこそ汗の状態で体調がわかります。すぐに自然でシンプルな食事を心がけたり、体を温めたり、リフレクソロジーを受けたりして翌日に持ち越さない」
体重は毎日測定し、増えたらプチ断食して1日で戻すことを心がける。
「3日もためると落としにくくなるし、まとめて戻そうとすると倍のパワーが必要。頑張るのは苦手だし、やろうとしてもうまくいかないでしょうね」
水泳の習慣が体形や体重維持に役立っている、と感じることがもう一つ。
「水着になる効果です。プールに行けば、更衣室の全身鏡などで自分の姿が目に入るでしょ? 不思議なことに、裸より水着姿のほうが自分の体形を客観的に見られるんです。太ったな、とかなんだか姿勢が悪い、みたいなことも毎日確認して自分なりに修正しています」
「お腹から足を蹴り出すように歩く。転びにくく、長い距離でも疲れません。」
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