自分は猫背型? 反り腰型?
撮影/角戸菜摘 文/石飛カノ モデル/原 歩美 ヘアメイク/村田真弓 スタイリング/高島聖子
壁と背中の間に手を入れるだけ。自分は猫背型? 反り腰型?
姿勢に大きな影響を及ぼしているのは、長年の生活習慣やクセ。たとえば、仕事で座っている時間が長い人は、骨盤が後傾しがち。そのままパソコン作業などを行っていると、頭が前に出て背中が丸まった猫背姿勢になりやすいというように。
「カラダには関節を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が対になって存在しています。お互いが伸び縮みすることで関節は動きます。股関節の場合、前側の腸腰筋(ちょうようきん)が縮んで後ろ側の大臀筋(だいでんきん)が伸びれば股関節は曲がり、その逆ならば伸展します。でも、どちらかの筋肉が過剰に緊張したり、伸びきったゴムのようにゆるんだりすると、関節の位置がずれて姿勢が崩れてしまうのです」
代表的な不良姿勢は大きく分けて、背中の丸まった猫背タイプと腰の反った反り腰タイプの2つ。
猫背タイプは骨盤が後傾し、膝が曲がって背中が丸く、肩が前に出るというのが特徴。反り腰タイプは骨盤が前傾し、出っ尻(ちり)で下腹がぽっこり前に出る。
自分がどちらのタイプに当てはまるかをチェックし、不良姿勢を改善するエクササイズに取り組めば、歩幅が広がり、腰痛の改善や予防につながります。
今すぐ自分でできる姿勢タイプチェック。
「私たち脊椎外科医は『思春期側弯(そくわん)症』『変性後側弯症』などの病名をもつ患者さんに対し、頭から足まで、立ち姿勢の全身のレントゲン撮影を行い厳密な姿勢の評価をします。胸椎の後弯の具合、腰椎の前弯の様子、骨盤の傾き、膝が曲がっていないかどうかなど、正確な姿勢の評価が可能です」と、平尾さん。
レントゲンの画像からは、腰椎前弯角(胸椎の12番と仙椎を結んだ角度)を割り出すことができる。この角度が40度以下の場合は猫背姿勢、70度以上の場合は反り腰と判定される。
とはいえ、病院で姿勢の評価をしてもらうのはちょっとハードルが高い。そこで、自分でできる簡単なチェック法をご紹介。
「壁を背にして立ち、頭、肩、お尻、ふくらはぎ、かかとの5点を壁につけます。このときの腰と壁のスペースの大きさで猫背と反り腰、どちらの傾向にあるかがある程度判断できます」
スペースの大きさは手のひらや拳を入れてチェックする。曲げた指がかろうじて入るというのが正しい姿勢。指先がまったく入らなければ猫背タイプ、横にした拳が余裕で入るという場合は反り腰タイプである可能性が高い。
脊椎外科ではレントゲンで正確な姿勢チェックが可能。
全脊椎レントゲン写真。軽い側弯があるのがわかる。(都立広尾病院提供)
【 正しい姿勢 】
【 猫背タイプ 】
【 反り腰タイプ 】
衣装協力
ブラトップ¥4,900 タイツ¥5,900 ウォーキングシューズ¥9,900(以上ニューバランス/ニューバランス ジャパン TEL.0120-850-997)
『Dr.クロワッサン 歩幅65.1cmで、腰痛しらず。』(2019年3月5日発行)より。