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1日に飲むべき水の量は?間違った水分補給も解説【クロワッサンライターの身になる話】

クロワッサンのライターがお役立ち情報を発信する連載【身になる話】。執筆した医療・健康本は100冊を超える医療ライターが健康にいい水の飲み方とダメな飲み方について解説します。

文・韮澤恵理

気づかぬうちに脱水に。不調につながる前に水分補給を心がけて!

1日に飲むべき水の量は?間違った水分補給も解説【クロワッサンライターの身になる話】

私たちの体は約6割が水でできています。血液やリンパ液はもちろんですが、タンパク質の塊のような筋肉でさえ75〜80%が水なのだそう。しかも水は一カ所にとどまるのではなく、大切な組織が水不足にならないように全身を絶えずめぐっています。水分の循環で健康が維持されているといっても言い過ぎではありません。

しかも水は、汗や尿、呼気などで絶え間なく排出されているので、失われた分を補わないと、水不足に。知らず知らずに脱水していることが不調を招いていることも少なくないと、自律神経失調の患者さんを多く見てきた医師は言います。

本人はとてもつらいのに、検査をしても病気が特定されず、メンタルクリニックを受診。問診をすると「水不足だな」という人が多いのだそう。実際にそうした人にきちんと水を飲むことをすすめると、症状が改善した例も少なくないとか。

体内の水不足が引き起こす不調には皮膚の乾燥や口の乾きはもちろん、肥満、高血圧、動脈硬化、便秘なども一因になると言われています。さらに、アレルギー、不眠、精神の不安定、むくみ、耳鳴り、関節痛なども水が足りなくて起きることがあるのだそう。

こうならないためにも水分補給は、適量を、正しい補給の仕方で行うことが大切です。

1日2.5lの水が出たり入ったり!1.5lは水として飲むこと。

1日に飲むべき水の量は?間違った水分補給も解説【クロワッサンライターの身になる話】

普通に暮らしていても、1日におよそ2.5lの水が体を出入りしています。取り込まれた水は全身に酸素や栄養を運んで、かわりに老廃物を回収して排出されます。

どんな状況でも体から水は出ていきます。ヒトは水を飲まないと4〜5日で死んでしまいます。たとえば遭難したとき、食べ物がなくても1〜2週間生き延びることができますが、飲み水がないと致命的なのはこのためです。

食事からや、体内の代謝でも水分が作られるので、実際に「水」として補いたいのはおよそ1.5〜2.5l。必要な水分の補給量は以下を目安に。

体重(kg)×30ml

50kgの人で1.5l、70kgの人なら2.1l程度。500mlのペットボトルなら3〜4本。この量飲めていますか?

お茶やコーヒーでの水分補給は要注意。飲むべきものは水!

必要な水分量がわかりました。ただ、気をつけたいのはその補給の仕方。

「朝はコーヒー、昼間は緑茶や烏龍茶をこまめに飲んでいるからのどが乾くことはありません」という人がいますが、これは大きな誤解です。お茶やコーヒーは水分であっても、利尿作用があるために、トイレの回数が増えるだけで、水の補給にはなりにくいのが現実。さらにのどの乾きを解消してしまうので、水を飲む回数が減っていまうという側面もあります。

カフェインレスのハーブティーやレモン水など、水分摂取に役立つ飲み物もありますが、判別は難しいので、「水」を飲むと決めてしまうと簡単です。

ミネラルウォーターを買うのなら、水の質にもこだわってみてください。マグネシウムなどのミネラルが多い「硬水」を飲むと、便秘の解消などにもつながります。日本の水道水は軟水なので、ミネラルはあまり含まれていないため、硬水は慣れるまで飲みにくいと感じるかもしれません。お通じの悩みがある人は試して見る価値があります。

水の硬度はボトルに表示されているので、一度気にしてみてください。

1日に飲むべき水の量は?間違った水分補給も解説【クロワッサンライターの身になる話】

冷たい水、一気飲み、飲みすぎはNG。こまめにちびちびがポイント。

飲むべきものは水にすること。ただ、ここでも落とし穴が。水ならなんでもいいわけではなく、その飲み方にも注意が必要です。

モデルやタレントが「美容&ダイエットのためにとにかくたくさん水を飲んでいます」と言っているのを目にすることがありますが、大量に飲めばいいというのは誤解です。飲みすぎるとトイレが近くなるだけでなく、腎臓に負担がかかることも。過ぎたるは及ばざるが如しです。

さらに、一度に大量に飲んでも体には吸収されません。逆に胃液を薄めたり、内臓が冷えたり、場合によっては眼圧が上がることもあり、デメリットも多く、たかが水と侮れません。

1回の量は100〜200ml。多くてもコップ1杯と覚えておきましょう。朝は胃腸を目覚めさせてくれるのでしっかり飲みます。その後1日に8回以上が目安。湯上がりに飲んだら、就寝前は控えめにすると夜中に目が覚めるのを防げます。

暑い日に冷たい水を一気飲みすると爽快に感じますが、体のためにはこれもNG。冷たい水は習慣性があり、飲み過ぎてしまう傾向があるそうです。

最近では冷えた水以外に常温の水を置いているコンビニも増えているので探してみましょう。湯冷ましくらいの白湯もおすすめ。

運動ももちろん大事。汗をかいて水のめぐりをよくしたい

1日に飲むべき水の量は?間違った水分補給も解説【クロワッサンライターの身になる話】

正しい水の飲み方、量がわかりました。その上でさらに意識して欲しいのが体内の水の循環をよくすること。

飲んだ水を全身に行き渡らせ、きちんと排出するためには、しっかり汗をかくことも大切です。軽い運動をすると代謝がよくなり、のども渇くので、「水を飲みたい」という感覚が鍛えられるというメリットがあります。運動の前後だけでなく、途中にもこまめに水分補給を。息の上がる強度の運動で汗もたくさんかいた場合はその分の水分を上乗せします。のどが乾く前に水を飲むのもポイントです。

筋肉を動かすとリンパ液の流れがよくなり、下半身にうっ滞しがちな血液も押し戻されるのでしっかり水が体をめぐり、いらないものが排出されやすくなります。入浴前に水を飲み、湯船に浸かって体を温めるのもいいですね。

運動や入浴で代謝を上げれば、水のめぐりがよくなるだけでなく、細胞が効率よくエネルギーを燃やすようになるので、ダイエット効果が上がりますよ。

  • クロワッサン医療ライター

    韮澤恵理 (にらさわえり)

    健康と食のエディター、ライター。出版社勤務後に独立してフリーに。ダイエット、健康法、エクササイズ、料理などの実用書籍やムックを編集制作している。生活周りの情報収集が趣味。

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