今やマスクは日常生活に手放せないアイテムだが、長時間の着用から、肌トラブルに見舞われる人も少なくない。
「顔がガサガサになってしまった、ニキビが急にできたなど、いろいろですが、特に口周りのトラブルが目立ちます」
と医師の廣瀬能華さん。なぜ、マスク着用でこのような症状が起こるのだろうか?
「肌の乾燥が一番の原因ですね。マスク内部は湿度が高くなり、蒸れた状態です。一方、外気は気温が低い。この温度差が乾燥を引き起こします。マスクを付けたり外す度に肌の水分が失われてしまう。また、マスクの素材などで擦れ、肌に傷がついていることも多いんです。すると、肌のバリア機能が低下してしまいます。そこに菌が付着し、吹き出物などの要因になることも」
肌トラブルを解消するには、乾燥を防ぎ、肌のバランスを整え、バリア機能を戻すことが重要だと。
「毛穴に詰まった汚れを取り、もろくなった角質層の深くまで届く有効成分が配合されたローションで保湿。紫外線対策をきちんとすればダメージは避けられます」
肌に潤いをもたらす成分として有効なのは、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンに加えて、ビタミン類やミネラルも肌の新陳代謝を助け、ターンオーバーを促す。
「ビタミンEが配合された軟膏は血行を促し、傷ついた肌を修復してくれます」
気軽に使える使い切りタイプの不織布(ふしょくふ)からシルクまで、マスク素材は多岐にわたっている。