アボカドとサバ缶のカップサラダ、豆乳マヨネーズ和え【呼吸器をうるおす健康レシピ】。
そこで、体を内側からうるおしてくれる食材を使ったレシピを紹介します。
撮影・岩本慶三 文・山下孝子
(オメガ3脂肪酸)のレシピ
火を使わずにすむさば水煮缶の利点を最大限に活用!
ダイエット効果があると人気に火がついたさば水煮缶ですが、実は免疫力を高めるためにも有効です。さばを缶詰に密封したまま加熱しているため、EPAやDHAが酸化しづらく、さらに、骨まで食べられるのでカルシウムも摂取できます。
普通のマヨネーズで和えてもおいしいのですが、今回はカロリーを控え、よりオメガ3脂肪酸を摂取するために、亜麻仁油と菜種油を使った豆乳マヨネーズを使います。さっぱりした風味ですが、菜種油とあわせているため、亜麻仁油独特のえぐみは気にならず、脂肪分が高く濃厚なアボカドと一緒にするとちょうどいい味わいになります。
さばの魚臭さも豆乳マヨネーズで和え、クミンパウダーをかけることでまったく気になりません。
そのままパンに挟んで食べてもおいしい味です。
アボカドとさば缶のカップサラダ豆乳マヨネーズ和え
【材料】2人分
アボカド …… 1個
さば水煮缶 …… 小1缶
クミンパウダー(できれば炒りたて)…… 少々
【作り方】
1.アボカドは半分に切ったら種を取り一口大に切る。皮はカップにするのでとっておく。
2.さば缶は水気を切って一口大に手でほぐす。
3.ボウルにアボカド、さば、豆乳マヨネーズ(大さじ1~2)を入れて軽く混ぜ、アボカドの皮に盛り付ける。
豆乳マヨネーズ
【材料】作りやすい分量
菜種油 …… 80ml
亜麻仁油 …… 20ml
豆乳 …… 50ml
りんご酢 …… 大さじ1
塩 …… 小さじ1/4
はちみつ …… 大さじ1
【作り方】
すべてを容器に入れてブレンダーで撹拌すると簡単にできますが、瓶に入れて振っても作れます。まず、瓶に亜麻仁油、菜種油、豆乳、塩、はちみつを入れ、よく瓶を振ります。りんご酢は2~3回に分けて加えるのがコツ。
炎症に強い粘膜をつくる、オメガ3脂肪酸。
オメガ3脂肪酸が多く含まれる食品
栄養を運ぶ血管の健康を守る脂質。
三大栄養素の脂質は、かつては肥満の原因として敬遠されていましたが、近年は、体の機能を守るために積極的に摂取すべき脂質があることがわかっています。
その代表が、魚の脂や植物の種子に含まれていることが多いオメガ3脂肪酸で、血管を強くして血の巡りをよくする一方、アレルギーをはじめとする体の炎症を抑える働きがあります。炎症によって荒れた粘膜は免疫機能が低下するため、呼吸器のためにぜひ摂取したい脂質と言えるでしょう。
なお、オメガ3脂肪酸にはいくつかの種類があり、α―リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)といった成分が特に有名です。
α―リノレン酸は体内に入ったあとでEPAやDHAに変化する脂質で、シソ科植物の種子を搾ったエゴマ油や亜麻の種子を搾った亜麻仁油などの食用油、そしてくるみに豊富に含まれています。
ちなみに、大豆油や菜種油にもα―リノレン酸は含まれますが、エゴマ油や亜麻仁油に比べると含有量は少なめです。
他の油より生産量も少ないため、エゴマ油や亜麻仁油は希少価値が高く、手頃な値段の商品は他の油とブレンドしているものが多くなります。やはりエゴマ油や亜麻仁油の量が多いほうが体にもよいため、購入時には表示をよく見て、できるだけ純度が高いものを選ぶようにしましょう。
EPAは悪玉コレステロールを減らし、血管をしなやかにして動脈硬化を予防する働きを持っており、イワシ、マグロ、サバ、ブリ(ハマチ)、キンキ、サンマ、サケといった脂がのった青魚に多く含まれています。
またDHAには炎症を鎮め、脳や目の働きをよくする作用があります。幸運なことに、DHAが豊富に含まれている食品には、EPAも豊富に含まれています。そのため、EPAとDHAは同時に摂取することができます。
なお、オメガ3脂肪酸は酸化しやすく熱に弱いという弱点があるため、ドレッシングに使うなど、できるだけ加熱せず摂ることがおすすめになります。
『Dr.クロワッサン 感染症に負けない、カラダをつくる。』(2020年11月30日発行)より。