腰痛改善にアプローチするセルフマッサージ。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓
【腰痛】
一見、無関係な脚が腰痛を引き起こす?
腰痛にははっきりとした原因があり、「椎間板ヘルニア」のような病名がつくものと、整形外科的な原因がわからないものがある。前者を特異的腰痛、後者を非特異的腰痛といい、腰痛全体の85%以上は原因がはっきりしない非特異的腰痛と言われている。
非特異的腰痛に関係しているのは肩こり同様、筋肉の緊張、背骨の老化、内臓機能、精神的ストレスといった、さまざまな条件。ただ、腰痛に特徴的なのは骨盤より下、脚の不調が関係してくるということ。
たとえば、ねんざぐせがあって足首がねじれていたり、足首の動きに左右差があったりする場合。そのまま立ったり歩いたりすると、足首→膝→股関節→仙腸関節→腰椎と下から上に力が伝わる中で、ねじれや負担が加わり、それが腰痛を引き起こす可能性もある。
このように腰から離れた部位の問題が腰に影響を及ぼす理由は、人の体がつながっているから。二足歩行の人間の全身の骨は、背骨を中心に積み木のように積み重なり、骨についている筋肉によってバランスが保たれている。ひとつの関節の動きは独立したものではなく他の関節の動きも伴う。これが「運動連鎖」と呼ばれるもの。筋肉の動きもまた、連動している。筋肉は筋膜という丈夫な膜で包まれていて、筋膜同士は連結している。こちらは「筋膜連結」という。
こうした特徴を踏まえると、足元からアプローチしていくのも腰痛改善のひとつの手。一見、無関係のように思える脚のケアでしつこい腰痛から解放される可能性は大いにあり。
腰痛へのアプローチ(1)アキレス腱、かかとをつまむ。
アキレス腱やかかとの筋膜はふくらはぎ、太もも裏を経由して腰までつながっている。ねんざぐせがあったり、足首の動きの左右差があることで常に緊張し、老廃物が溜まると腰の動きにも歪みが出て痛みの原因に。
また、アキレス腱とくるぶしの間には東洋医学でいうツボの通り道、経絡が存在している。この経絡も腰とつながっているのでケアによって腰痛緩和が期待できる。
椅子に腰かけて左足を右膝の上に乗せる。左右の手で内くるぶし少し上をつまむ。
↓
5秒ずつ親指で圧をかけながら、指をかかとまでずらして刺激していく。5往復行う。
【足裏】
最後は右手でかかと全体をつまんで親指で圧をかける。反対の足も同様に行う。
【ターゲット】
両足のくるぶしからかかとまでを左右の指で刺激していく。
(手の形)
人差し指から小指の4本指で足首を支え、親指で圧をかける。